2022年 6月 28日 (火)

ティファニーの指輪を左手薬指にはめて、轢死した彼女は「行旅死亡人」になった

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ミイラ化した赤ちゃんの「心当たりのある方」は

   乳幼児の行旅死亡人。以下は2018年2月28日、世田谷区から出された公告である。

「本籍・住所不詳、氏名不詳、身長50.5センチメートル、体重314グラム、女性えい児 上記の者は、平成29年4月6日、世田谷区船橋××××にある集合住宅の一室にて天袋内のボストンバッグ内より発見されました。死後40年以上を経過していると推定されます。身元不明のため、遺体は火葬に付し、遺骨は保管してあります。心当たりのある方は、世田谷区保健福祉部生活福祉担当課まで申し出てください」

   発見現場は、世田谷区にある大型団地だ。

   当時のNHKなどの報道によると、問題の部屋には高齢の男性が1人で暮らしていた。家賃の滞納が続いたため、裁判所の職員が部屋に踏み込んだところ、押し入れ上の天袋に、不審なボストンバッグを見つけた。開くとそこには、乳児の遺体があったという。布おむつを付け、すでにミイラ化していた。

   ところが住民の男性は、このミイラについて「知らない」と言い張った。

   発見からおよそ1年弱、遺体はひっそりと行旅死亡人として公表される。捜査が進展した、とのニュースはない。つまり、結局身元はわからず、住民に引き取られることもなかったわけだ。

   乳幼児の行旅死亡人は、決してまれではない。「行旅死亡人データベース」収録の2010年以降だけでも、70件以上が確認できる。生まれた直後に遺棄されたものや、死産となった胎児、また今回のように、なんらかの事情で死亡後、葬られることなく放置されていた例などが中心だ。

   この団地の乳児はその後、「心当たりのある方」が名乗り出ただろうか。世田谷区の担当者に尋ねたが、「回答できない」とのことだった。現実的に考えれば、可能性は低いだろう。

   発見現場の部屋は8月現在、空室だ。しかし玄関先には、NHKの受信票や国勢調査のシールなど、前住民の痕跡がまだ残る。その一つ、30年近く前の赤十字のステッカーには、こんな標語が記されていた。

「幼い生命に手を差し伸べて」
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