金足農高(秋田)の吉田輝星投手が「(プロ野球の)巨人が好きです」「(巨人に)行きたいです」と、報道陣の問いかけに答えた。するとツイッターには、勝手に「がっかり」する声が相次ぐ事態となってしまった。夏の甲子園で快進撃する過程で、「雑草軍団」(公立の農業高であり、地元選手で構成)、「東北に優勝旗を」といった言葉が多用されたこともあり、それぞれが勝手なイメージを膨らませていたようだ。「巨人に行きたい?」「行きたいです」第100回全国高校野球選手権記念大会で準優勝を決めた翌日(2018年8月22日)、金足農の選手らは母校へ戻った。1000人を大きく超える人が出迎え、チームの健闘を称えた。記者らに囲まれた吉田投手は、テレビカメラを前にして、「いずれプロ野球の選手になって活躍したいと思います」と将来の夢を語った。報道陣の女性が「好きなチームはありますか?」問いかけると、「あの...。巨人が好きです」ときっぱりと答えた。続いて「巨人に行きたい?」との質問が飛ぶと、「行きたいです」と即答した。この模様が報じられると、ツイッターでは、巨人ファンらから「嬉し~来てほしい!」「超嬉しいよね」と歓迎する声が相次いだ。一方で目立ったのは、「がっかり」を表明する人たちだ。「東北やし、楽天もしくは日ハムファンかなと思ってたら、巨人で勝手にガッカリした」「地元で活躍した選手だから、東北のチーム!つまり楽天入りたいだろうなって勝手に思ってたから、思いっきり失恋した気分!」といった具合だ。理由は示さずに、「がっかりだょ吉田クン...吉田株暴落」「なんか、がっかりですわ」と失望している人も少なくない。「東北の楽天入りを希望」のイメージを捨てきれないのか、「楽天で頼むよ」「ここはウソでも楽天と言いなさい!」と懇願や指示をする人も。「本人が行きたいと思う球団に行けたら良いですな」勿論、冷静な声もあり、「本人が行きたいと思う球団に行けたら良いですな」「外野がガタガタいう話ではないよね」と指摘していた。「巨人に行きたいか?」と聞かれ、「行きたいです」と答えただけなのに、ここまで「がっかり」されてしまうのは、これまでの報道ぶりが関係しているようだ。快進撃中も、決勝を終えたあとも「金足農・吉田輝星、10連続完投!優勝旗を東北へ!」(スポニチ、21日)「金足農フィーバー続く 『雑草軍団』躍進に共感」(共同通信、22日)といった報道が続いている。こうした報道から出来上がったイメージと、「球界の盟主」とも「金満チーム」とも称されることがある巨人とのイメージとにギャップを感じたのかもしれない。吉田投手の進路をめぐっては、大学進学説も報じられている。一方、高校から直接プロに進むなら、プロ志望届を出したうえでドラフト会議で指名を受ける流れになる。もしそうなれば「争奪戦は必至」(スポニチ、21日)とみられている。
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