2019年 1月 22日 (火)

繰り返される「江川卓待望論」 高評価なのに巨人復帰しない理由

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   プロ野球の巨人は2018年10月10日、原辰徳氏が来季の監督に就任することを発表した。CS進出を果たしたチームは現在、高橋由伸監督指揮のもと、下剋上日本一を目指して戦闘中だが、一方で球団は第3次原政権の組閣に着手し始めている。

   高橋監督が辞任を表明して以降、鹿取義隆GM、川相昌弘2軍監督、田代富雄2軍打撃コーチが相次いでチームを去った。チームがポストシーズンにあることから現時点で1軍スタッフの去就は明らかにされていない。

   高橋監督が成績の低迷を理由に辞任したことから、村田真一ヘッドコーチに何らかの責任が問われる可能性もあり、降格または解任の動きがあってもおかしくはないだろう。

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江川氏待望論はなぜ起こるのか

   過去、巨人の監督が交代するたびに持ち上がる江川卓氏(63)の組閣待望論。今回もまた、ファンをはじめとし、読売グループ、球団内部からも待望論の声が出ている。

   なぜ、ここまで求められるのか。江川氏の卓越した野球論は、野球関係者の間でも高く評価されている。中でも投手、打者にかかわらず、試合中の選手の心理状態を分析しながら語る理論は的確で、解説者としての評価も高く、桑田真澄氏が現役時代に江川氏を頼りアドバイスを求めていたのは有名な話だ。

   高校、大学、プロと、江川氏の選手としての実績は周知の事実である。指導者の経験こそないが、「指揮官」の資質を十分に持ち合わせている。また、現役時代はヒールだったが、引退後はテレビ番組などで活躍しイメージチェンジに成功。今や、お客を呼べる数少ない人材である。

   しかし、指導者として期待されながらも、1987年の現役引退後は一度も指導者として球団に関わっていない。

   野球界と距離を置く理由のひとつとされるのが、日本球界の黒い歴史である通称、「空白の一日事件」である。

空白の一日事件の悲劇と和解

   78年、当時の野球協約の死角をついて巨人が江川氏と選手契約を結んだことが、世間を巻き込んでの一大事件に発展。結局は、巨人との契約が無効となり阪神が交渉権を獲得したが、ここで悲劇が生まれる。

   高校卒業以来、巨人入団を熱望していた江川氏の意向を受けた阪神は、シーズンを待たずに巨人とのトレードという形で放出。巨人からトレードに出されたのは当時エース格の故・小林繁氏だった。

   巨人入団に際して遺恨を残したくないとして江川氏は金銭トレードを望んだというが、それは叶わなかった。世間は江川氏を「悪」、小林氏を「悲劇のヒーロー」として見た。事件の当事者である2人は現役時代、言葉を交わすことはなかったという。

   2人が「和解」したのは2007年秋。日本酒のCMに江川氏と小林氏が共演し、現役当時を振り返りながら杯を交わすものだった。「空白の一日事件」から28年ぶりの和解だった。

   だが、江川氏は球界復帰にあたってこの事件がいまだに尾を引いているという。当事者同士は和解したものの、球界内にはいまだに「江川憎し」の声があるのは確か。日本球界に汚点を残した代償をいまだに背負っている。

   もうひとつ、球団入りを拒む理由とされるのが金銭面である。プロ野球の解説者とは別に実業家としての顔を持つ江川氏だが、関係者によると、株の投資などに失敗し、一時、多額の負債を抱えていたという。

   球団監督または、コーチのギャラでは負債を返却することが難しく、高額なギャラが支払われるテレビの仕事をあえて選択したといわれている。

   江川氏の現役時代からのライバルで、同年齢の阪神・掛布雅之オーナー付シニアエグゼクティブアドバイザーは、来季も同職でフロントに残ることが濃厚である。今回もまた待望論だけで終わってしまうのか。CS終了後にも巨人の新体制が固まる。

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