2024年 4月 18日 (木)

日本相撲協会は貴ノ岩にどんな処分を下すのか 「暴力決別宣言」から1か月あまり、責任問題に発展も

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30キロ以上の体重差 一撃はLヘビー級とミニマム級ほどの違い

   暴行事件の被害者から一転、加害者となった貴ノ岩。昨年10月に自身が被った暴行事件と今回の事件は、その性質が大きく異なる。貴ノ岩と元日馬富士は番付こそ大きく異なるが、同じ関取で同郷の先輩後輩という関係の中で起こったもの。だが、今回は関取と付け人との間による、いわば絶対服従の関係にある中で起こった暴力事件で、より悪質である。

   三段目の貴大将は身長174センチ、体重118.5キロと、力士としては小柄である。一方の貴ノ岩は身長182センチ、150キロの堂々たる体格の持ち主。貴ノ岩の供述によれば、平手と拳で4回から5回ほど殴ったとのことだが、体重が30キロ以上も重い力士が本気で殴れば、暴行事件ではなく傷害事件に等しいだろう。

   ボクシングでいえば、最軽量のミニマム級(47.6キロ)の選手が、14階級上のライトヘビー級(79.3キロ)の選手にノーガードで殴られるようなもの。関取と三段目では、体力的な違いは明らかで、日本ランキングにも入っていない選手と、世界王座をうかがう世界トップクラスの選手ほどの差がある。

   実際、幕内力士の張り手は強烈で、張り手一発で体重150キロ以上もの力士を土俵に沈めるだけの威力を秘める。暴行を受けた貴大将は、大きな外傷は見られなかったが、頬が腫れあがるほどの傷を負った。数発殴られただけでもそれほどの傷跡を残すほど、幕内力士の力はケタ違いなのである。

   プロボクサーの拳は時に「凶器」とみなされ、素手で一般人に危害を加えた場合、傷害罪に問われる。今回は同じ力士同士による暴行事件だが、幕内力士の一発は、重量級のプロボクサーのパンチに匹敵するほどの破壊力を持つ。幕内力士の拳もまた、「凶器」であると言っても過言ではないだろう。

   2007年には時津風部屋の新弟子が、親方と兄弟子から暴行を受けて死亡した。その後も角界での暴力事件は後を絶たない。公益財団法人でもある日本相撲協会の自浄能力が問われかねない今回の暴行事件。貴ノ岩の厳罰に止まらず、角界トップの八角理事長(元横綱北勝海)の責任問題に発展する可能性も出てきた。

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