2020年 11月 28日 (土)

炎上の平成史 mixiからバカッター、ユーチューバーへ...「ネット」はどう変わったのか

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おおつねまさふみ氏が語る「炎上史」

   「ネット炎上は、1980年代後半の『パソコン通信』時代からありました」――。ネットの炎上対策を指南するコンサルタント会社「MiTERU」の代表で、ネットウォッチャーとして知られるおおつねまさふみ氏はこう話す。

   ただし、当時の「炎上」はネガティブな出来事ではなく、議論に近かったという。

「2000年代前半までは、ネットにアクセスするには相応の苦労と費用がかかり、ネットに明るい大学生や研究者、システムエンジニアが利用者の大半でした。そのため、今でいう炎上は『アップルとマイクロソフト、どっちが優れているか』といったテクノロジーに関する議論が多かったです」
「議論の中身が現在の炎上のようになったのは、2003~04年にウェブログというブログツールが流行り、いわゆる文系的な人もネットで情報発信をするようになったころです。それまでの炎上はエビデンスをもとに意見をぶつけ合うことが多かったですが、議論に文系の人が参加して、『それって関係あるの?』っていうどうでもいい揚げ足取りの書き込みが増えました。特に新聞記者が情報発信を積極的にしていて、古参のユーザーが『あなたの主張には証拠も根拠もないので議論にならない』というと、『僕はなにそれの記者でその分野に関しては詳しいんだ』みたいなマウンティングが始まり、話にならないという(笑)」

   このころから、議論が盛り上がるという意味で海外で使われていた「フレーミング」が直訳されて、「火だるま」や「炎上」という言葉が広まったそうだ。実際、前出した産経新聞の04年6月付記事「佐世保・小6女児死亡 『ネット書き込みトラブル』」では、ネット炎上を「フレーミング(炎上)」と表現していた。

   ポスト平成の炎上はどうなっていくのか。おおつね氏は「炎上は人間の普遍的な心理にもとづくので、今後も無くならないのでは」と推測する。

「意図的に炎上させてやろうという『ネット荒らし』は圧倒的に少数派で、大体の炎上は何らかの善意やこれは反省すべきという正義感が強い人の関与で起きます。正義感の強い人は、集団内ヒエラルキー、帰属意識、内集団バイアスという根源的な心理が働き、個人や企業の落ち度を指摘したくなります」

   しかし、炎上は負の側面だけではない。既存の価値観を見直す機会にもなるという。

「『クイーン』のフレディ・マーキュリーがカリスマ的に描かれている映画『ボヘミアン・ラプソディ』が大ヒットしていますよね。クイーンが活躍していた1970~80年代はLGBT差別が今では想像できないほどあり、2010年代になってやっと理解が進みました。これも、ジェンダーロールをめぐる表現が啓蒙活動やネット炎上などをきっかけに議論されたことで、昭和の価値観的なものが変わっていったのかと思います」(おおつね氏)

(J-CASTニュース編集部 谷本陵)

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