2019年 11月 23日 (土)

れいわ舩後氏も使う「意思伝達装置『伝の心』」 開発背景には「従業員のALS罹患」があった

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   「微力ながら患者様や支援されているご家族のお役に立てたかな」――。そう語るのは、意思伝達装置「伝の心(でんのしん)」の開発に携わった日立ケーイーシステムズ(千葉県習志野市)組込システム本部の松浦美紀彦さんだ。

   「伝の心」とは、2019年の参院選比例代表で当選した、「れいわ新選組」の舩後靖彦氏も使用するシステムだ。全身がほぼ動かなくなる、難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者のみならず「四肢麻痺で気管切開をされた方向けの装置」であると7月24日、松浦さんはJ-CASTニュースの取材に話した。

   どういうシステムなのか。どうして開発をしたのか。その背景を聞いた。

  • れいわ候補者発表会見時の舩後靖彦氏(2019年7月3日撮影)
    れいわ候補者発表会見時の舩後靖彦氏(2019年7月3日撮影)
  • 舩後氏使用の「伝の心」(2019年7月3日撮影)
    舩後氏使用の「伝の心」(2019年7月3日撮影)

身体の一部をわずかに動かしスイッチを押し入力

   相手に言葉を伝える方法ってなんだろう。まず声。それに身振り手振りなど。パソコンをつかってキーボードでカタカタ......。スマホを使ってフリック入力。たくさんある。でもこれらには、「声帯」はもちろんのこと「手」も必要だ。これらが機能不全・喪失した人はどうすればいいのだろうか。

   松浦さんによると、「伝の心」への入力装置は、押しボタン式のスイッチやタッチセンサー、息でスイッチするブレススイッチ、舩後氏も使用する歯で噛むセンサーなど様々あるという。なるほど、パソコンの「キーボード」も入力装置だ。患者の容態に合わせたスイッチを用い、身体の一部をわずかに動かすだけで、文字を入力することができる。

「ALSの患者さんというのは進行形の神経難病ですので、筋肉が動く間は、(押しボタン式の)プッシュスイッチでまず、画面上を走るカーソルを止め、やりたい機能を選ぶというような操作方法となる」

   例えば文字を入力する場合は、50音を行ごとにカーソルが自動で動く(あ→か→さ...)ので、「あ行」で止める(スイッチを押す)と続いて、『あ→い→う→え→お』とカーソルが動き出す。自分が選びたい文字にカーソルが移ったら、ボタンを押して止めるという形だ。「顔の向きを変える」「耳を綿棒で掻く」など日常で使用する文章も数多く用意されている。2017年から18年に開発した機能には、コミュニケーションアプリ「LINE」の操作支援機能のほか、「視線入力スイッチ」のサポートもある。

   また日立中央研究所の技術を用い、なめらかな読み上げが可能な「音声合成機能」も搭載された。これは「気管切開して声を失う前に、患者様の音素データを作成して、患者様の特徴をとらえた合成音を再現する機能」だという。

「もともとの開発は、ALS患者様向けということでスタートした。1997年12月に初号機を出荷させていただいて、20年強やらせていただいている商品です」
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