2024年 4月 20日 (土)

原1000勝で久々脚光の「ON砲」 名付け親は「虎党」スポーツ紙だった

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「ON砲」の原型はMLB「MMキャノン」

   当時、王氏と長嶋氏によるアベックホームランがよく見られるようになっていた。スポーツ紙でもアベックホームランの報道がなされたが、いかせん見出しが長すぎる。いかにして端的にアベックホームランの見出しを付けるか。そこである社員がMLBの「MMキャノン」を倣ってみてはどうか、との提案をしたという。「MMキャノン」とは、MLBヤンキースのロジャー・マリスとミッキー・マントルによる打撃を指すもので、この提案が採用され王氏と長嶋氏の頭文字を取った「ON砲」が誕生したという。

   記者が先輩に聞いた話では、「ON砲」のアイデアを提案したのが現場の記者なのか、見出しを付ける部署の社員なのかは不明とのことだったが、「ON砲」の見出しを最初に使ったのはデイリースポーツで間違いないと教えられた。その先輩いわく、長嶋が3番に入り、王が4番でアベックホームランを打った時には、さすがに「NO砲」は使えず、「ON砲」の見出しを付けたという。

   「ON砲」の誕生以降、球界では「〇〇砲」というような呼び名が定着していった。「ON砲」に次ぐ史上2位となるアベックホームランを放った広島の山本浩二氏と衣笠祥雄氏は、「YK砲」と称され、多くの広島ファンから愛された。また、西武の黄金時代を築いた秋山幸二氏と清原和博氏は「AK砲」と呼ばれ一世を風靡した。

   巨人の終身名誉監督として球場に足を運ぶ長嶋氏。巨人、ソフトバンクで指揮を執り現在は日本プロ野球組織(NPB)コミッショナー特別顧問として球界を見守る王氏。最近、両氏がグランドで顔を合わせる機会はめっきり減り寂しい限りだが、稀代のスターがご健在であることは、いちプロ野球ファンとしては何よりの喜びである。かつて多くのプロ野球ファンに夢を与えた「ON砲」は、日本のプロ野球史において燦然と輝いている。

(J-CASTニュース編集部 木村直樹)

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