2019年 12月 16日 (月)

新聞紙面に並んだ「韓国なんて要らない」広告 週刊ポスト批判する各社の「掲載責任」は?

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   「週刊ポスト」(小学館)の「韓国なんて要らない」特集をめぐり、ポスト誌に批判が寄せられ編集部がお詫び文を出した状況を伝える他メディア記事が相次いでいる。中には、社説で「嫌韓におもねるさもしさ」と断じてポスト誌を直接的に批判した新聞もある。

   一方で、批判的な記事を出した新聞社が、ポスト誌発売時の広告で「韓国なんて要らない」特集の見出しをそのまま掲載していたことを指摘し、「よく言うわ」と皮肉る声も出ている。そうしたメディアは、広告の掲載責任についてどう考え、どう対応しているのか。

  • 週刊ポストの広告を掲載した9月2日付朝刊。左から、朝日、毎日、読売の各紙。
    週刊ポストの広告を掲載した9月2日付朝刊。左から、朝日、毎日、読売の各紙。

朝日記事で「朝日広報部コメント」

   朝日新聞は2019年9月5日付朝刊(東京14版)のポスト誌問題の検証記事(第2社会面)で、広告掲載の責任に関する自社コメントを掲載した。記事の見出しは「『嫌韓』 議論深めず炎上、謝罪 週刊ポストの特集めぐり懸念の声」「どの表現がなぜいけないか、丁寧に」だ。

   記事では、ポスト誌の今回の特集への作家らによる批判の声を伝える一方で、見出しにもあるように「どの表現がなぜいけないか、丁寧に」議論する必要がある、とする文芸評論家の指摘も紹介している。最後段では、

「今回はポストの広告を載せた新聞社の責任を問う声も上がった」

として、朝日新聞社広報部がコメントした内容を載せた。コメント部分は、

「出版物の広告については、表現の自由を最大限尊重しながら審査・掲載しています。今回の週刊ポストの広告表現も編集部の見解ではありますが、差別を助長しかねず、不適切ではないかというご批判がありました。真摯(しんし)に受け止めて、広告のあり方について今後も検討を重ねてまいります」

だった。J-CASTニュースが5日、同広報部に念のため確認したところ、コメント中の「編集部の見解ではありますが~」部分の「編集部」は、「週刊ポスト編集部」のことだという。

   また、ウェブ版の4日未明配信の有料会員限定記事「週刊ポスト謝罪、抜け落ちる議論 『断韓』特集に作家は」でも、こうしたコメントを含む内容が報じられた。

社説で批判の毎日新聞に見解を求めると...

   朝日新聞は、2日付朝刊で「週刊ポスト」(9月13日号)の広告を掲載した。「韓国なんて要らない」「『嫌韓』ではなく『断韓』だ」「10人に1人は要注意(大韓神経精神医学会)―怒りを抑制できない『韓国人という病理』」といった見出しが、伏字なしで紹介されている。翌3日付朝刊では、3段格の囲み記事(第2社会面)という目立つ扱いで、「嫌韓特集に抗議 ポスト連載降りる」「作家の深沢さん 小学館はおわび」の見出しで報じた。作家の深沢潮氏が同誌での連載中止を申し出たことや、批判を受けポスト編集部がお詫びのコメントを出した点に触れている。

   また、社説で「週刊ポストの特集 嫌韓におもねるさもしさ」と批判を展開したのは毎日新聞(4日付)だ。「韓国なんて要らない」特集について、

「中でも韓国人の性格を扱った記事は『10人に1人は(精神障害の)治療が必要』などと韓国をおとしめていた」

などと指摘。雑誌について「際どい手法を用いながらも、ゲリラ的に権威や権力に挑むことでジャーナリズムを活性化させてきた歴史はある」と肯定的な側面に触れながらも、

「しかし、今回の特集はそれらと次元を異にする」

として、

「日本社会の一部にはびこる韓国人への偏見やヘイト感情におもねり、留飲を下げる効果を狙ったのではないか。だとすれば、さもしい姿勢と言わねばならない」

と断じた。最後は、

「日韓間には感情的なあつれきを生みやすい歴史がある。だからこそ、双方の認識ギャップを埋める努力がいる。その役割を担うのはメディア自身ではないのか」

と締めくくった。

   毎日新聞は、ポスト誌の発売・謝罪の翌3日付朝刊(東京14版)では、第1社会面の3段見出しで、作家らによる批判やポスト編集部の陳謝を報じていた。ポスト誌広告については、やはり2日付朝刊で伏字なしで載せていた。

   社説で批判したポスト誌の広告掲載責任については、どういう見解なのか。J-CASTニュースが5日昼に質問すると、毎日新聞社の社長室広報担当から、

「出版物の広告は、表現の自由に配慮しつつ、当社広告掲載基準に基づいて審査し、掲載の可否を決めており、ご指摘の広告についても同様です。掲載に対しご批判をいただいたのは事実で、真摯に受け止め今後に生かしてまいります」

と5日夕に回答があった。

掲載なかった主要紙も

   読売新聞も2日付朝刊でポスト誌の広告を掲載していた。ただ、3日付朝刊(東京14版)では、第2社会面の短信扱いで、ポスト編集部が「ネットなどで批判的な意見を受けたとして」、公式サイトに「コメントを掲載した」と淡々と報じた。見出しは「韓国特集『配慮欠いた』」で、記事本文には、「お詫び」「陳謝」などの言葉は出てこない。以降も、5日夕刊段階までに、ポスト誌への批判的な記事は見当たらない。

   産経新聞には、2日付朝刊でポスト誌の広告は載っていなかった。なお、同日発売の「週刊現代」(講談社)の広告も掲載されておらず、1週前の同じ曜日(8月26日)にもポスト誌広告の掲載はなかった(全国紙3紙には掲載あり)。

   ポスト誌に対して批判的な記事を出した、という印象を与えたメディアに同誌の広告が(伏字なしで)載っていたことに対しては、ツイッターで、具体的な媒体名に触れながら、

「批判はするが金は貰う」
「広告料もらって、紙面にデカデカと『韓国なんて要らない』って広告載せておいて、よく言うわ」

といった皮肉や批判が寄せられていた。

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