2020年 9月 23日 (水)

「『ご多忙』は『亡』があるからNG」ってホント? 根拠不明の「忌み言葉」が生まれるプロセス

ホットでもアイスでも美味しい。季節にあわせて楽しめる、大正製薬の乳酸菌が入ったごぼう茶。

30年前の書籍に「心を亡くす」が書かれていた

   「忙」は「心を亡くす」につながるという考えは、日本のフィクサーとも呼ばれた陽明学者の安岡正篤(1898-1983)が信条としていた。死後に出された自著『新憂楽志』(明徳出版社、1988年刊)で安岡は、座右の銘とする思想「六中観」を掲げ、その中で

「忙中 閑有り。ただの閑は退屈でしかない。真の閑は忙中である。ただの忙は価値がない。文字通り心を亡うばかりである。忙中閑あって始めて生きる」

と述べている。これが「元ネタ」という確証はないが、ビジネス書や自己啓発書で「心を亡くす」が散見されるようになったタイミングと近い。

   まとめると「忙」「多忙」をかしこまった場で使うことは、必ずしもマナー違反ではなかった。しかし、「多忙」よりも「多用」の方がふさわしい理由づけとして、「忙」は「心を亡くす」という発想が徐々に日本社会に広がり、「忙」のつくりに着目し、忌み言葉に数えられるようになったのではないだろうか。

   そしてインターネットでのマナーサイトの林立がそれに拍車をかけた。忌み言葉に限らず、根拠の曖昧な言葉のマナーや礼儀作法がネット上では飛び交っており、それがテレビ・書籍などの影響力があるメディアに取り込まれてマナー化される現象が起きている。

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