2020年 4月 7日 (火)

岡田光世「トランプのアメリカ」で暮らす人たち ソレイマニ「殺害」シナリオの本音は何か

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世界中にいる司令官を英雄視する「分身」

   イランでは「反米・反イスラエル」が、国をまとめるためのイデオロギーでもあった。現イスラム政権が崩壊し、イラン革で失脚したパーレビー国王(皇帝モハンマド・レザー・シャー)のような親米政権に変わることを、トランプ氏は期待しているはずだ。

   高齢のハメネイ師の死後、クーデターが起き、米国を敵視してきたソレイマニ司令官が後継者となると一部に噂されていたことも、トランプ氏が同司令官を「排除」したかった理由かもしれない。

   イラン核合意離脱、経済制裁の強化、ソレイマニ司令官殺害、イラン国民への支持、経済制裁のさらなる強化、イランの経済破綻、イラン現体制の崩壊――。すべてがトランプ氏のシナリオどおりに進もうとしているかにも見える。

   「歴史に残る賢い大統領だ」とトランプ氏を大きく評価する人がいる一方で、「米史上最悪の大統領だ」と酷評する専門家たちは次のように警鐘を鳴らす。

   米国はこれまでもテロリストを殺害してきたから、ソレイマニ司令官殺害も大したことではない、とトランプ氏は考えているかもしれない。が、ハメネイ師の片腕ともいえる、信望の強い政府高官を殺した。

   司令官を英雄視する彼の「分身」テロリストたちは、世界中に潜んでいる。今回、国家間の全面戦争は避けられても、ソレイマニ氏を英雄視していた彼の「分身」たちは、必ずや米国人に対して報復やテロ攻撃を行うはずだ。

   トランプ氏の真価は、これから問われることになる。(次回に続く。随時掲載)

++ 岡田光世プロフィール
おかだ・みつよ 作家・エッセイスト
東京都出身。青山学院大卒、ニューヨーク大学大学院修士号取得。日本の大手新聞社のアメリカ現地紙記者を経て、日本と米国を行き来しながら、米国市民の日常と哀歓を描いている。米中西部で暮らした経験もある。文春文庫のエッセイ「ニューヨークの魔法」シリーズは2007年の第1弾から累計40万部。2019年5月9日刊行のシリーズ第9弾「ニューヨークの魔法は終わらない」で、シリーズが完結。著書はほかに「アメリカの家族」「ニューヨーク日本人教育事情」(ともに岩波新書)などがある。

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