2020年 12月 1日 (火)

保阪正康の「不可視の視点」
明治維新150年でふり返る近代日本(40)
軍人勅諭と戦陣訓――明治と昭和の戦時観の違い(その1)

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「忠節を尽すを本分とすへし」「礼節を正しくすへし」などを強く要求

   そこでまず軍人勅諭を見ていくことにするが、勅諭は全文2700字によって構成されている。明治天皇から当時(1882=明治15年)の陸軍卿、海軍卿に下賜された。これをまとめたのは山県有朋に命じられた西周か福地源一郎ではないかと言われているが、いずれにせよ日本語としての格調を尊ぶというのがその趣旨でもある。その導入部は以下のようになる(平仮名に直す)。

「我国の軍隊は世世天皇の統率し給ふ所にそある 昔神武天皇躬つから大伴物部の兵ともを率ひ中国のまつろはぬものともを討ち平け給ひ高御座に即かせられて天下しろしめし給ひしより二千五百有余年を経ぬ」

と言った具合で、日本の神話史観の骨格を説くのである。そしてつまりは、日本の軍人、兵士には次の5点を強く要求する。

1、軍人は忠節を尽すを本分とすへし
1、軍人は礼節を正しくすへし
1、軍人は武勇を尚ふへし
1、軍人は信義を重んすへし
1、軍人は質素を旨とすへし

   その上でこの5点について具体的に説明を続けていく。この中であえて重要と思われるのは、最初の忠節を尽すという項なのだが、やはり以下に引用しておきたい。

「(軍人は)世論に惑はす政治に拘らす 只一途に己の本分の忠節を守り 義は山獄よりも重く死は鴻毛よりも軽しと覚悟せよ 其操を破りて不覚を取り汚名を受くるなかれ」
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