2024年 4月 26日 (金)

田中美久「莉乃ちゃんの後を引き継ぐ」の真意 変化の1年への意気込みは【HKT48・1万7000字インタビュー(4)】

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   HKT48が1年ぶりにリリースする新曲「3−2(さんひくに)」(2020年4月22日発売)の「選抜メンバー」で、AKB48の楽曲にも参加するなどしてテレビ出演が最も多いのが田中美久さん(18)だ。

   20年1月のコンサートでは、元々は指原莉乃さん(27=19年卒業)がセンターを務めたAKB48の楽曲「恋するフォーチュンクッキー」(13年発売)でセンターを務め、指原さんのポジションを引き継いだと受け止めるファンも多かった。20年は新会社発足による体制の一新、新劇場のオープン、指原さんによる新公演など、グループには大きな変化が次々に訪れる。最終回のインタビュー第4回では、今後の活動に向けた意気込みを聞いた。(聞き手・構成:J-CASTニュース編集部 工藤博司)

  • 田中美久さん。2019年1月のコンサートで「莉乃ちゃんの後を引き継ぐ」と宣言していた (c)Mercury
    田中美久さん。2019年1月のコンサートで「莉乃ちゃんの後を引き継ぐ」と宣言していた (c)Mercury
  • 田中美久さん。2019年1月のコンサートで「莉乃ちゃんの後を引き継ぐ」と宣言していた (c)Mercury

「前に立ってくれていたメンバーの気持ちが少し分かった」

―― 田中さんは19年1月のコンサートで「莉乃ちゃんの後を引き継ぐ」と宣言し、20年1月のソロコンサートでは、兒玉遥さん(23=19年卒業)への手紙で「ずっとグループの先頭を走っていてくれた、はるちゃんの気持ちが、今になってほんの少しだけ分かるような気がしています」と決意表明しました。今ではAKB48のシングルにHKT48から参加する唯一のメンバーでもあります。グループを引っ張ったり、「グループの顔」として活躍したりする意気込みを改めて聞かせてください。

田中: 小さい頃から、HKT48に入った頃から「なこみく」としてたくさん可愛がってくださったり、たくさん厳しい言葉やアドバイスもずっと頂いたりしていました。莉乃ちゃんが卒業してから、その(指原さんが立っていた)ポジションを任せていただく機会もあり、一番近くで背中を見させて頂いたからこそ、たくさん学べることも多かったので、すごく感謝しています。(指原さん以外にも)前に立ってくれていたメンバーが卒業でいなくなり、こういう(卒業メンバーのポジションに立つ)機会を頂くようになったので、今まで自分が頼っていた部分を経験することも多くて、すごく大変でした。その時に、前に立ってくれていたメンバーの気持ちが「あ、こういう気持ちなんだな」と、少し分かった気がします。今でも莉乃ちゃんはアドバイスをくれたりするので、そういう部分でも頼ってしまいますが、もっともっと自立していかなきゃな、と思います。
20年1月の「リクエストアワー」では、田中さんがセンターのユニット曲「ロマンティック病」が1位になったのを筆頭に、HKT48の楽曲が上位に多くランクインした(2020年1月撮影)
20年1月の「リクエストアワー」では、田中さんがセンターのユニット曲「ロマンティック病」が1位になったのを筆頭に、HKT48の楽曲が上位に多くランクインした(2020年1月撮影)

―― 20年1月の「リクエストアワー」(編注:ファンが楽曲に対して投票し、その結果をランキング形式で発表するコンサート。通称「リクアワ」)では、田中さんがセンターのユニット曲「ロマンティック病」が1位になったのを筆頭に、HKT48の楽曲が上位に多くランクインしました。AKB48のシングル表題曲で最も順位が高かったのは11位の「恋するフォーチュンクッキー」でした。「恋チュン」は指原さんが13年の「選抜総選挙」で1位になったことで生まれた楽曲ですが、「リクアワ」では田中さんが指原さんの衣装を着てセンターを務めました。その時は、後ろに柏木由紀さん(28)筆頭に、いわゆる「超選抜」の皆さんがいる状態でパフォーマンスしたわけですが、「指原さんの後を引き継いだ」感じはありましたか。

田中: 莉乃ちゃんの衣装を着られたことはすごく嬉しかったです。「恋するフォーチュンクッキー」をAKB48として披露するときもセンターに立ったことがなかったので本当に嬉しかったですし、それを莉乃ちゃんに報告したときも「嬉しい」と言ってもらえて、とても「ほっこり」というか...。AKB48の中でセンターに立たせて頂くときには、やはり色々な人の意見があって怖くなったりしますが、そのポジションが莉乃ちゃんの場所だったからこそ、少し安心してパフォーマンス出来て良かったです。

小栗有以が紅白リハで明かした「『恋チュン』センター」の葛藤

「リクアワ」では、指原莉乃さんの衣装を着て「恋するフォーチュンクッキー」をセンターで披露した(2020年1月撮影)
「リクアワ」では、指原莉乃さんの衣装を着て「恋するフォーチュンクッキー」をセンターで披露した(2020年1月撮影)

―― 「恋するフォーチュンクッキー」はAKB48グループの代表曲のひとつで、国民的に幅広く知られています。19年12月のNHK紅白歌合戦や20年3月の「CDTV ライブ! ライブ!」(TBS)では、センターを務めたのはAKB48の小栗有以さん(18)でした。12月29日の紅白歌合戦のリハーサルの際、小栗さんに「指原さんの代表曲のセンターを引き継ぐ重い役割ですけれども...」などと質問したところ、小栗さんは
「今でもすごく活躍されている指原さんのセンター曲を務めさせていただくのが『本当に私でいいのか』『HKTのメンバーがやったりとかした方がいいんじゃないかな』という気持ちもあったんですけど...」
と、葛藤まじりに意気込みを話していました。「『恋チュン』ならHKT48の私がセンターを」という気持ちはありますか。

田中: HKT48の莉乃ちゃんがセンターに立っていたので、そのポジションはHKT48で埋めたいなという気持ちはありました。でもやっぱり、莉乃ちゃんだからあの位置に立てたわけで、今の自分では全然足りないから無理かなと思っていました。そんな中で、「リクアワ」でセンターに立たせていただけたので、今後もそういう機会があったら立てるように、成長してセンターにふさわしいメンバーになれたらいいと思います。

―― 「リクアワ」11位のパフォーマンスは自信につながりましたか。

田中 うーん...。ファンの方から「顔が緊張してたね」とたくさん言われました。やっぱり前に立つと、とても緊張しちゃうので、そういう部分はもっと慣れていかなきゃと思いました。

―― 今は西鉄ホール(福岡市中央区)など3か所を拠点に活動していますが、20年には、福岡ペイペイドーム(同)の隣で建設中のエンターテインメントビル「E・ZO FUKUOKA(イーゾ フクオカ)」1階に、新劇場がオープンします。西鉄ホールには「Bステ」があって観客と近いのが特徴ですが、かつて拠点にしていたホークスタウンモール(同、16年に営業終了)の旧劇場は、中央の回転するステージ「出べそ」が特徴でした。新劇場では、どんなパフォーマンスを展開したいですか。

田島: 「出べそ」に立ったことがない子がいるんですよ。1期生、2期生、はなまで?(編注:松岡さんは旧劇場時代の15年に加入)ぐらいまでは「帰ってきた」感覚ですが、逆にそれ以降のメンバーにとっては「初めて立つ」という感覚だと思います。あの頃のステージそのままではないと思いますが、「出べそ」はあってほしいと思います。
村重: あってほしい!
田島: 「新しいステージに変わる」というよりも「帰ってきた」という感じを味わいたいので、あの時のステージがそのままできたらいいという気持ちは1番に思います。でも、新しい目玉ができるのもすごくうれしいです。私たちもどういう風になるのか本当に分からないので、楽しみにしています。

指原新公演は「後世に伝わる、ずっと大事にされるような公演に」

2020年には新劇場がオープンする。現行の西鉄ホールは、観客と近い「Bステ」が特徴だ(2019年11月撮影)
2020年には新劇場がオープンする。現行の西鉄ホールは、観客と近い「Bステ」が特徴だ(2019年11月撮影)

―― 新劇場オープンに間に合うかは分かりませんが、指原さんは新公演「いま、月は満ちる」を書き下ろすことになっています。アップテンポな表題曲は19年5月の「感謝祭」コンサートで披露されましたが、残りはどんな曲になると思いますか?

渡部: メンバー一人一人の良さが引き出せるような公演になったらいいと思います。
田中: やっぱり莉乃ちゃんが書いてくださるからこそ、メンバーの一番身近にいる方が書いてくださるからこそ、一人一人のことをよく知ってくれていると思います。歌詞も莉乃ちゃんが書いてくださるので、「自分の歌詞」「HKT48の歌詞」を莉乃ちゃんが書いてくれることにすごく意味があると思います。自分たちの曲がたくさん出来るのはとても楽しみです。

―― これまでのHKT48の劇場公演は、一度AKB48やSKE48が上演した演目を再演することがほとんどでした。指原さんの新公演が完成すれば、HKT48のオリジナル曲とAKB48の楽曲を組み合わせた「博多レジェンド」公演(13~14年)を除けば、HKT48としては初のオリジナル公演です。これまでの公演とは、相当違ったものになりそうですね。

田島: HKT48の宝になるような曲だと思うので、後世に伝わる、ずっと大事にされるような公演になればいいと思います。

―― 先日、HKT48の運営会社がAKS(現・ヴァーナロッサム)から独立し、「マーキュリー」として新体制がスタートしました。HKT48の広報担当者によると「福岡をはじめ、九州の皆様、行政、企業、メディアの皆様との連携を一層深めさせさせて頂きたいと考えております」とのことで、地元密着で活躍する場も増えそうです。HKT48としては21年開催予定の「世界水泳選手権」のPRサポーターとして起用されたほか、「かごニュー」(KTS・鹿児島テレビ)にレギュラー出演しています。20年4月には佐賀県唐津市のコミュニティーFM局で、佐賀県出身メンバーによる冠番組「HKT発からつGO」(FMからつ)も始まりました。田島さんはリポーターとして出演している朝の情報番組「アサデス。」(KBC・九州朝日放送)にスタジオ出演することも増えています。周囲の反応の変化はありましたか?

田島: 結構変わりますね。「アサデス。」さん(への出演)が始まってもう10回目くらいになりますが、(交流する)年齢層が上がって、地域のおじいちゃんおばちゃんが話しかけてくださるようになったり、地域での交流ができたり、中継先で行ったおばあちゃんがたくさん差し入れを持ってきてくださったり...。「HKT48というアイドルグループがあるんだね。じゃあ孫に教えとくね!」と、そこから(自分たちの話題が)広がっていくのも嬉しいです。東京の方はもちろんですが、福岡に愛されるアイドルになりたいので、地域の方との交流をこれからも増やしていけたらいいと思います。

―― 福岡市や九州各県の皆さんに、HKT48のどういった面をアピールしていきたいですか。

田島: まずはHKT48というアイドルグループがあるということを知っていただければ、色々な面白いメンバーがいることも知っていただけると思います。福岡市や、九州各県でそれぞれのメンバーの魅力を伝えて、必ずしもコアなファンとまでいかなくても、皆さんが「HKT48は知っている」といった感じができればいいですよね。街を歩いていて「HKT48だ!」って話しかけられるくらいに有名になりたい気持ちです。

宮脇咲良&矢吹奈子の復帰で「最強と最強が組み合わさったらやばい!」

宮脇咲良さんの親友だという村重杏奈さんは、宮脇さんのHKT48への復帰について「早く帰ってきてもらってまた一緒にふざけてバカやりたいなと思います」と話した (c)Mercury
宮脇咲良さんの親友だという村重杏奈さんは、宮脇さんのHKT48への復帰について「早く帰ってきてもらってまた一緒にふざけてバカやりたいなと思います」と話した (c)Mercury

―― 発足当初の発表どおりであれば、日韓合同ユニットのIZ*ONE(アイズワン)は21年4月に活動を終了予定です。今はIZ*ONEの活動に専念している宮脇咲良さん(22)と矢吹奈子さん(18)がHKT48に復帰すれば、グループはさらにパワーを増しそうです。2人が復帰したら、どんなグループにしていきたいですか。村重さんは宮脇さんと親友ですね。

村重: (ドヤ顔で)はい! 2人は、全世界ですごく勢いのあるグループにいると思うので、「やっぱり咲良と奈子が帰って来なきゃダメだね、HKT48は」となるのではなく、2人がHKT48を離れてIZ*ONEの活動をしている間も、HKT48はずっと勢いがあり続けて、2人が帰ってきたときに最強なHKT48になれるようにしていきたいです。最強と最強が組み合わさったらやばい!やっぱり村重も、仲がいいメンバーの卒業も多かったり、咲良もIZ*ONEに行っちゃったりとかで本当に寂しいと思うことが多いので、早く帰ってきてもらってまた一緒にふざけてバカやりたいなと思います。

―― 田中さんは、「早送りカレンダー」(18年発売)で「なこみく」として矢吹さんとダブルセンターでした。戻ってきたら、さらに活動が充実しそうですか。

田中: 本当にずっと「早く帰ってこないかなー」と思っています。今でも、ほぼ毎日連絡を取り合っています。帰ってきてから早く一緒に活動するのが楽しみですが、でもやっぱり向こうは今、全世界で活躍しているアイドルグループなので、2人で一緒になったときには、あまり差を見せたくないという思いもあります。自分もHKT48でたくさん成長して「おかえり!」と言えるくらい頑張りたいです。

運上弘菜さん プロフィール
うんじょう・ひろな 1998年生まれ、北海道出身。HKT48 チームKIV所属。16年にHKT48に4期生として加入。17年に行われた「じゃんけん大会」に、3期生の荒巻美咲さんとユニット「fairy w!nk」を組んで出場し、優勝。CDメジャーデビューを果たした。「早送りカレンダー」(18年発売)から3作品連続の選抜入りで、今作品「3−2」では、4期生としては初めてセンターに起用された。18年の総選挙では84位。

田島芽瑠さん プロフィール
たしま・める 2000年生まれ、福岡県出身。HKT48 チームH所属。12年にHKT48に2期生として加入。デビューシングル「スキ!スキ!スキップ!」(13年発売)でセンターを務める。18年の総選挙では26位にランクイン。19年から情報番組「アサデス。」(KBC九州朝日放送)にリポーターとして出演している。趣味は読書で、18年から小説ポータルサイト「小説丸」(小学館)で、コラム「読メル幸せ」を連載している。

田中美久さん プロフィール
たなか・みく 2001年生まれ、熊本県出身。HKT48 チームH所属。13年にHKT48に3期生として加入。同期の矢吹奈子さん(IZ*ONE専任活動中)との「なこみく」コンビとして知られ、11枚目シングル「早送りカレンダー」(18年発売)で、矢吹さんとダブルセンター。「11月のアンクレット」(17年発売)を筆頭に、AKB48のシングル表題曲は計7作品に参加。18年の総選挙で10位にランクインし、上位16人の「選抜」入りした。18年から「熊本2〇19応援大使」を務め、20年1月に初のソロコンサートを開いた。

松岡はなさん プロフィール
まつおか・はな 2000年生まれ、千葉県出身。HKT48 チームTII所属。14年に「バイトAKB」のオーディションに合格し、15年2月まで活動。15年に第2回ドラフト会議で指名されてHKT48に加入。8枚目シングル「最高かよ」(16年発売)、10枚目シングル「キスは待つしかないのでしょうか?」(17年発売)でセンターを務める。「ハイテンション」(16年発売)でAKB48のシングル表題曲に初参加し、「ジワるDAYS」(19年発売)など計7作品に参加。18年の総選挙では66位にランクイン。

村重杏奈さん プロフィール
むらしげ・あんな  1998年生まれ、山口県出身。HKT48 チームKIV所属。11年にHKT48に1期生として加入。母親はロシア出身で、実家ではロシア語も話すバイリンガル。14年から15年にかけてNMB48と兼任。18年の総選挙は不出馬。19年から芸能事務所「TWIN PLANET」に所属。同じ事務所に所属する元AKB48の西野未姫さんと動画チャンネル「俺ら」に出演するほか、「サンデー・ジャポン」(TBS)、「人生が変わる1分間の深イイ話」(日本テレビ)などバラエティー番組にも多数出演。

渡部愛加里さん プロフィール
わたなべ・あかり 2004年生まれ、神奈川県出身。HKT48 チームH所属。18年に行われた第3回ドラフト会議では3チームが渡部さんを指名し、支配人を務めていた指原莉乃さんが抽選で交渉権を獲得してHKT48に加入。18年の総選挙では圏外だった。前作「意志」(19年発売)に続いて2作連続で選抜入り。


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