2024年 4月 25日 (木)

岡田光世「トランプのアメリカ」で暮らす人たち
ニューヨークで「トランプ支持」大集会の異常事態

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「Law and Order TRUMP(法と秩序 トランプ」の巨大な旗

   インド系アメリカ人女性アニタは、もともと、トランプを人種差別主義者だと軽蔑していたという。

「でも、マスコミの報道を鵜呑みにせずに自分で調べてみると、トランプの発言を前後関係を無視して切り取って都合のいいように報道していることがわかったの。『米国を偉大に』というのも、その意味を誤解されている。トランプは建国理念を取り戻し、政府や一部の富める者ではなく、市民が力を持てる国にしようとしている」

   しばらくすると、五番街に長さ5、6メートルのパネルを載せた荷台が現れ、歓声がわいた。

   「LAW & ORDER VS ANARCHY THE FIGHT OF THE CENTRUY(法と秩序VS無秩序 世紀の戦い)NOV 3, 2020」と書かれ、その右側にボクサーに扮したトランプ氏が「ANTIFA」と書かれた鉢巻きをした人間をノックダウンする絵が描かれている。

   続いて、大きな星条旗や警官支持の旗を翻した車が、何台も通り過ぎていき、歓声が続く。

   やがて、縦15メートル、横23メートルの巨大な旗が、消されたBLMの文字の真上に広げられ、五番街を覆い隠した。中央に細く青い横線の入った白黒の米国旗(Thin Blue Line Flag)で、警察などの法執行機関の職員への支持を表す旗で、殉職した警官への追悼の意もある。

   旗には大きな文字で「Law and Order TRUMP」と書かれている。

   支持者らがそれを広げたまま、マンハッタン目抜き通りの五番街を、「Whose streets? Our streets!(誰のストリート? 我々のストリート!)」「4 more years!(あと4年!)」「We want Trump!(トランプがいい!)」などと叫びながら南に向かって行進。別の長い旗を広げて、さらに数十人がそのあとに続き、その周りを大きな星条旗やサインを手にした人たちが歩いた。

   行進していた人だけでも、100人はいただろう。これだけの大規模なトランプ支持者の集まりを、これまでニューヨークで目にしたことはなかった。10月に入って彼らは少なくとも他に2度、この巨大な旗を持って、マンハッタンを行進している。

   道ゆくニューヨーカーたちも思わず足を止め、「Holy shit! Look at those people!(なんだ、こりゃあ! こいつら、なんなんだ!)」などと驚きの声をあげている。

   黒人男性が歩きながら携帯電話で、「トランプの旗を持って『MAGA」ハットを被って、五番街を行進してるんだよ。バカげているよ。悲しいよ」と話している。

   15ブロックほど歩いた所で、旗や幕を掲げた十数台のトランプ支持者の車が止まり、クラクションが鳴り響く。大音量で明るい音楽が流れ、それに合わせて人々は五番街で歌い、拍手し、踊り始めた。

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