2021年 1月 23日 (土)

大手学習塾「臨海セミナー」に同業19社が抗議 「悪質勧誘」「合格者水増し」告発される 【追記あり】

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   大手学習塾「臨海セミナー」を運営する「臨海」(神奈川県横浜市)に対し、同業他社が業務改善などを求める申入書を送付していたことが2020年12月8日、関係者への取材で分かった。

   臨海社員による「当社が行っている強引な生徒勧誘や合格者作りの手法には社会的に容認できない」などとする内部告発を受けての措置で、早急な対応を求めている。

  • 臨海セミナー
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  • 生徒リストの一部。申し入れ企業の塾に通う生徒も多数掲載されている。リストには1000名以上載っており、ステップの塾生は約300人いたという(提供:臨海社員)
    生徒リストの一部。申し入れ企業の塾に通う生徒も多数掲載されている。リストには1000名以上載っており、ステップの塾生は約300人いたという(提供:臨海社員)
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  • 生徒リストの一部。申し入れ企業の塾に通う生徒も多数掲載されている。リストには1000名以上載っており、ステップの塾生は約300人いたという(提供:臨海社員)

「モラルに欠ける行為と言わざるを得ません」

   申入書は12月3日、東証1部上場の「ステップ」を幹事社とし、早稲田アカデミー、秀英予備校、中萬学院、エイサイコミュニケーションなど19社が連名で送付した。

   申入書によれば、臨海セミナーでは塾生から「『学校の友人の中での成績優秀者』の名前・塾名・志望校など」の個人情報を聞き出し、それをリスト化している。掲載された成績優秀者には、塾生を通じて模試やアンケートを渡し、模試や講習などの申し込みにつながれば、塾生は金券類がもらえる。

リストの一部。申し入れ企業の塾に通う生徒も多数掲載されている。リストには1000名以上載っており、ステップの塾生は約300人いたという(提供:臨海社員)
リストの一部。申し入れ企業の塾に通う生徒も多数掲載されている。リストには1000名以上載っており、ステップの塾生は約300人いたという(提供:臨海社員)

   こうした手法に対し、申入書は「個人情報の利用目的を明確に告げていない点、相手の生徒及び保護者の同意を得ることなく、挙げられた情報を蓄積している点で違法の可能性が高いといえます。生徒を導く立場にありながら、法的知識の不十分な未成年の生徒を、違法ともいえる個人情報収集に利用しているという点においても、極めて問題があるものと思料します」と強く非難する。

   さらに入試直前には、他塾に通う生徒を籍はそのままで「特待生」(難関校の受験、結果の報告、広告掲載などを条件に、授業料が一定額免除される制度)として勧誘しているとも指摘。もしこの生徒を合格実績としてカウントしている場合、「自塾の合格実績だけを増やそうという意志を強くもった組織的な行為と考えられ、モラルに欠ける行為と言わざるを得ません」と切り捨てた。

   全国の学習塾でつくる「全国学習塾協会」が定める自主基準では、合格実績に含むことのできる塾生徒の範囲を「受験直前の6か月のうち、継続的に3か月以上在籍し、かつ受講時間数が30時間を超える」としている。

   大手学習塾が公式サイトで公表する合格実績には、

「(上記の自主基準に該当しない)講習・体験・テスト・その他講座のみを受講した生徒は一切含んでおりません」(栄光ゼミナール/中学入試)
「模試だけの生徒や短期講座のみの生徒は含まれていません」(河合塾Wings/高校入試)
「合格実績に講習生を含めるなど論外です。短時間の講習を受けただけの合格者を予備校の実績とすることは適切ではありません(中略)通期講座1講座以上にあたる教育サービスを受けた生徒のみを対象とした、厳格な合格実績としています」(東進ハイスクール/大学入試)

などと生徒の定義を示しているケースが目立つが、臨海セミナーは中、高、大いずれも見つからない。

   19社は、「当塾の生徒が記載されている名簿について貴社が今後、破棄、生徒名などの個人情報を削除する方針、措置を採る意思があるか」「上記の情報を今後の勧誘活動に使用しない方針、措置を採る意思があるか」――の2点への回答を求めている。

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