2021年 12月 7日 (火)

「ヤバい、ヤバい」女性悲鳴も...体ぶつけ合う観客たち 批判殺到「密フェス」現場のカオスな実態

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   愛知県常滑市内で2021年8月29日に行われたヒップホップ系の野外フェスティバル「NAMIMONOGATARI」で、参加者らが密状態になって踊るような写真や動画がツイッターなどに投稿され、物議を醸している。

   ラッパーのZeebraさん(50)らが問題を認めて、ツイッターで謝罪する事態になった。ルール違反があったとして、愛知県や常滑市は主催者に抗議し、主催者は、「お詫びと経緯のご説明」とする謝罪文を公式サイトに出した。

  • 参加者で密状態だった会場(出演者MC TYSONさんのインスタグラム投稿動画から)
    参加者で密状態だった会場(出演者MC TYSONさんのインスタグラム投稿動画から)
  • 参加者で密状態だった会場(出演者MC TYSONさんのインスタグラム投稿動画から)

出演者のZeebra「開けてみたら危険な状況でした」

   会場となった「Aichi Sky Expo」では、参加者がぎっしりとすし詰め状態になっている。

   「止まる気ないですよね!」。出演者の男性がステージを走りながら会場の参加者に声をかけると、ワーと大声を出して参加者が手を突き上げた。

   これは、野外フェスのステージ上から撮られた動画の1シーンだ。

   出演者が大声で声をかけると、参加者も大声で呼応し、歌や演奏が始まると、みな飛び上がってカオスともいえる状態になった。

   野外フェスの会場は、スマホでの撮影が認められており、ツイッターやインスタグラムには、参加者が撮った写真や動画も次々に投稿されている。それらを見ると、参加者が踊りまくって、体をぶつけ合うモッシュのような状態になり、若い女性が「ヤバい、ヤバい。めっちゃヤバい!」とぶつけられるなどして悲鳴を上げるようなものもあった。

   NAMIMONOGATARIの公式サイトによると、2005年よりスタートした日本最大級のヒップホップ系野外フェスで、8月29日の日曜日は、Zeebraさんら大物アーティストが多数出演した。新型コロナウイルスの感染対策としては、サイト上などで、マスク着用や大声の禁止、1メートル目安のソーシャルディスタンスを守ることなどを参加者に呼びかけていた。

   ところが、投稿された写真や動画を見ると、マスクをしていない人も多く、大歓声で踊りまくるような状態だ。また、お酒を飲んでいる人の姿も見られた。

   愛知県では、8月8日にまん延防止措置が発令され、感染者が1日で2000人を超える事態となって、27日には緊急事態宣言が出された。それだけに、ネット上では、主催者側などの対応に疑問や批判が噴出し、ツイッター上などで釈明する出演者も出た。

   Zeebraさんは30日、「県のルールに則ってると聞いていたので出演しましたが、開けてみたら危険な状況でした」とツイッターで告白し、当日はマスクの着用徹底などを伝えたが、「そもそも出演すべきでは無かったという意見もごもっとも」だとして、「ヒップホップシーンを牽引する立場として責任を感じてます」と謝罪した。

愛知県はマスク着用徹底などを求めたが、当日は守られず

   会場のAichi Sky Expoは、愛知県所有の施設で、愛知国際会議展示場が運営会社になっている。

   騒ぎを受けて、愛知県の大村秀章知事は、8月30日の会見で、事前に感染対策の徹底を呼びかけていたのに密状態で開催されたのは「極めて遺憾」だとして、今後は主催者による施設の利用を拒否することを明らかにした。

   また、常滑市の伊藤辰矢市長も29日、事前に感染防止のルールを守るように働きかけていたとして、「皆さんの言う『ルールが守られていないのが事実なら』、私も腹立たしい」とツイッターで苦言を呈した。30日の市議会でも、冒頭のあいさつで触れたといい、「市民の努力を愚弄する悪質なイベント」だと主催者に抗議文を送ったことも明らかにした。

   野外フェスについて、県の国際観光コンベンション課は30日、主催者に確認したところでは、日曜日はチケット購入者とスポンサー関係者で計約8000人が参加していたとJ-CASTニュースの取材に答えた。前日の土曜日もフェスが行われたが、アマチュアの大会だったため参加者は約1500人だったという。

   県のルールでは、イベントの上限は5000人となっているが、チケットの販売は、まん延防止措置の発令前だったので、救済措置による国の基準内になるとした。

   フェスの開催前には、密状態になる心配があったため、県と愛知国際会議展示場、主催者の3者で会合を持ち、主催者にヒアリングを行った。そこで、マスク着用の徹底、ソーシャルディスタンスの確保、飲酒の禁止を要請し、主催者もそれを約束した。しかし、当日には、規制されていない状態だったため、展示場を通じて主催者に約束の履行を促した。

「事前に確認したことが守られておらず、ハシゴを外された状態でした。お酒についても、SNS上の写真などを見ますと、会場で販売されていたのではと想定できます。こうしたことについて、本日抗議することにしました」

   野外フェス後には、出演者の1人が名古屋市内のクラブでアフターパーティーの深夜イベントをしていたと指摘されている。この点については、「SNS上で見ただけですが、もし事実だとすると、速やかに帰宅することを求めるルールに違反していると思います」と話している。

主催者「結果として、認識の甘さがあった」

   主催者のオフィスキーフ(名古屋市)は、8月30日夕になって、公式サイトすべてを使って、「お詫びと経緯のご説明」とする謝罪文をアップした。開催の経緯については、次のように釈明した。

「今年の3月に開催を発表し、開催に向けて準備をしておりました。準備が進んでいく中、8月18日までの10日前までの時点で、今年の開催が可能な事、過度な飲酒でなければお酒の提供も可能という状態で愛知県から話を頂き、10日前から会場の設営に入りました。
そして、その日から常滑市が蔓延防止重点処置地域に指定され、人数制限が5000人へと縮小されました。その時点でチケット販売が5000枚を超えていた為、愛知県の指示に従い、8月20日でまずチケット販売を終了し、毎年行ってた(原文ママ)子供向けプロジェクトの中止を決めました。その時点で売れているチケット枚数に関しては入場可能という指示も同時に頂きました。この時点で酒類の販売の自粛要請も頂いていましたが一部キャンセルできない物を販売しますと愛知県担当者に報告をし、過度の飲酒にならない様、お一人様二杯までとし、アルコールはアルコールチケットで販売をし杯数の管理をしていました。
そして会場内の感染予防対策として、ソーシャルディスタンスステッカー、エリア外飲食の禁止、飲食時以外のマスク着用のお願いなど、イベント会場内でその期間できる範囲以内の対策を講じました。その後、8月27日イベントの前日に緊急事態宣言が愛知県に発令されてしまいました。イベント当日を翌日に迎え、全ての準備が終わっていたタイミングでした。そのタイミングでイベントを中止や延期にする事が物理的にできませんでした。
蔓延防止重点処置地域になった時点でチケットの販売を止めるという事がその時点でできる大きな対策の一つでした。
しかし、イベント当日は8000人を超える観客が来場し、ソーシャルディスタンスは守られず、常に密な状態になってしまいました。主催者側としてはアーティストの入れ替わりの全ての間にナレーション付きの注意喚起の説明を流し、会場のメイン大型画面には注意喚起として、(1)会場内は必ずマスクの着用をお願いします(2)お客様同士ソーシャルディスタンスをお守りください。(3)声を発しての鑑賞はご遠慮ください。(4)飲食などでマスクを外す際は声を発さないようにお願いします(5)飲食は決められたエリアでお願いします(6)体調が悪くなったら遠慮せず係員に申し出ください。(7)熱中症対策の為小まめな水分補給をお願いします。と言った文書を表示しナレーション付きでお客様に直接認知を促していました。また、フロア地面には1メートル間隔のソーシャルディスタンスシールも貼っていました。途中改善されない状況を重く捉え、司会からの強い注意喚起としてマスクをしないとイベントが中断になってしまうとの事も促してはいましたが、結果として、大規模な音楽イベントの感染予防対策に対する認識の甘さが全国の皆様に多大なご心配をかけてしまった事を心より深く反省致しております」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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