2024年 4月 26日 (金)

トランプ信者とコロナ陰謀論者は似ている? 大統領選潜入の記者が感じた「極論の危うさ」

中指を立てられて思った「潜入取材して良かった」

――本には戸別訪問中に2回、「中指を立てられた瞬間」があったと書かれています。

横田:1回目は相手の男性がかなり真剣な表情で怒りながらだったので、中指を立てられたことよりも、ガラス戸越しで至近距離のその怒りの表情に背筋が凍りました。日本で中指を立てるのはどこか冗談めかした雰囲気が拭えませんが、アメリカではケンカになっておかしくないサインですから、そうであるがゆえに怒りの真剣さに恐怖しました。

――なるほど......。

横田:2回目は戸別訪問すべく、「この家はまだ行ってないな」と思いつつ、その家の周りを歩いていたら、男性から窓越しに中指を立てられました。私はアメリカで大学生活も含めて5年生活しましたが、日常生活で中指を立てられたことはありませんでした。あと思ったのは、「私自身に中指を立てたのではなく、『トランプ陣営のボランティア』に対して中指を立てたのだろう」ということ。この2人とは会話はしていませんが、恐らく、民主党支持者だったんでしょう。

――でしょうね......。


中指を立てられた際にかぶっていたというトランプ陣営の帽子
横田:思ったのは、やはり、「潜入取材をして良かった」ということです。というのは、もし、ジャーナリストの身分を明かした上で取材をしていたら、中指を立てるなんていう「本音」に出会うことはなかったでしょう。やっぱり、ジャーナリストに対しては「書かれる」という前提を意識して本当の気持ちに「お化粧」をしてしまいますが、相手にその心配をさせなければ、本音が垣間見える瞬間に出会えるんですよ。
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