カムカムエヴリバディでも起きたネットの「ロス現象」 その発祥は?報道と識者分析で背景を紐解く

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   NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」の最終話が2022年4月8日に放送され、直後からツイッターには「カムカムが終っちゃったよ~ ロス・・ってこういう事なんだろうなと久々に感じる」といった、「カムカムロス」を訴える声が上がっている。

   「○○ロス」はエンタメニュース関連において、自らが視聴しているドラマの放送が終わった際や、自らが推している芸能人が結婚した際などの喪失感を指して「○○ロス」を感じている、といった形で用いられている。ツイッターやネット掲示板に書き込まれるようになって久しく、メディアでも取り上げられることがある。2021年には俳優の星野源さんと新垣結衣さんが結婚した際、「ガッキーロス」という言葉が誕生したことは記憶に新しい。

   これらエンタメ関係で使われる「ロス現象」は、いつごろからネット上にあらわれるようになったのか。過去の報道や識者の見解から紐解いてみた。

  • 左:上白石萌音さん(写真:アフロ)、中:深津絵里さん(写真:Visual Press Agency/アフロ)、右:川栄李奈さん(2018年撮影)
    左:上白石萌音さん(写真:アフロ)、中:深津絵里さん(写真:Visual Press Agency/アフロ)、右:川栄李奈さん(2018年撮影)
  • 左:上白石萌音さん(写真:アフロ)、中:深津絵里さん(写真:Visual Press Agency/アフロ)、右:川栄李奈さん(2018年撮影)

目立った2013年の「あまちゃんロス」

   4月8日の放送終了後、ツイッターではドラマ終了による「ロス」を嘆く声が相次いだ。「カムカム最終週めっちゃ泣いた 全部伏線回収してくれてスッキリやけど、寂しすぎる 完全ロスなる」「カムカム終わっちゃったね ハッピーエンドで良かった~ あーぁ......カムロス」などと、最終回に満足したとしつつも寂しさを訴える声が多い。

   こうした「○○ロス」はメディアでも取り上げられることが多い。いつ頃から報道に登場してきたかを調べるべく、新聞・雑誌などの記事データベース「日経テレコン」を使い、「ロス 喪失感」で検索した。「喪失感」を入れたのは、「ロサンゼルス」など他の意味で使われる「ロス」を検索結果からなるべく省くためだ。

   すると、2012年ごろから「ペットロス」を含む記事が全国紙に目立ち始める。一方、今回ネット上で起きた「カムカムロス」に類するエンタメ関係では、2013年に出現した「あまちゃんロス」が目を引く。NHK連続テレビ小説「あまちゃん」(2013年度前期)の放送終了を嘆く声を表わすものとして「あまちゃんロス」「あまロス」といった言葉が使われた。

   具体的な例を見てみると、同年9月28日に最終回を迎えた「あまちゃん」について、1週間後の同年10月4日に朝日新聞デジタルが「『あまちゃんロス症候群』に悩む日々 どうすればいい?」と、「あまちゃんロス症候群」の言葉を使った見出しの記事を掲載。「インターネットの世界では『あまロス』なる言葉が飛び交っています」とネット上で起きた現象として紹介した。

   「あまちゃん」については最終回翌日となる同年9月29日の時点でも、毎日新聞朝刊が「NHK連続テレビ小説:『あまちゃん』 あぁ、終わっちゃった...『あまロス』広がる 『また見たい』DVD予約10倍」という記事を掲載。同様にネットの現象をもとに「あまロス」を伝えていた。

   同年10月1日の産経新聞東京朝刊「宮藤官九郎さん『あまちゃん』への思い 自分の中で『終わっていない』」や、同月6日の読売新聞東京朝刊「[放送塔から]『あまちゃん』終了に喪失感」の記事でも、本文中に「あまちゃんロス症候群」の言葉がある。全国紙が軒並み「あまちゃんロス」を扱っていたことが分かる。

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