2024年 4月 24日 (水)

ペロシ氏台湾訪問機に「過去最多追跡」 フライトレーダー24が発表、アクセス殺到で一部制限も

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   米連邦議会のペロシ下院議長が2022年8月2日夜、台湾入りした。下院議長による台湾訪問は1997年以来25年ぶりだ。台湾は中国の一部だと主張する中国は、ペロシ氏の台湾訪問中止を再三にわたって要求しており、訪問に踏み切ったことで強く反発している。

   ペロシ氏はアジアを歴訪中。台湾入りの予定は現地メディアが報じていたが、公式には発表されておらず、動向が注目されていた。それだけに、世界中の航空機の位置を表示するサービス「フライトレーダー24」にはアクセスが集中。特別機が台北に到着した際には70万8000人が見守り、2009年のサービス開始以来「リアルタイムで最も追跡されたフライト」になった。

  • 米連邦議会のペロシ下院議長は米海軍のC-40C型機に乗って台湾・台北の松山空港に到着した。ペロシ氏は左から6番目(写真は台湾外交部(外務省に相当)のウェブサイトから)
    米連邦議会のペロシ下院議長は米海軍のC-40C型機に乗って台湾・台北の松山空港に到着した。ペロシ氏は左から6番目(写真は台湾外交部(外務省に相当)のウェブサイトから)
  • ペロシ下院議長を載せた特別機は、異例のルートも注目を集めた(写真は「フライトレーダー24」の公式ブログから)
    ペロシ下院議長を載せた特別機は、異例のルートも注目を集めた(写真は「フライトレーダー24」の公式ブログから)
  • 米連邦議会のペロシ下院議長は米海軍のC-40C型機に乗って台湾・台北の松山空港に到着した。ペロシ氏は左から6番目(写真は台湾外交部(外務省に相当)のウェブサイトから)
  • ペロシ下院議長を載せた特別機は、異例のルートも注目を集めた(写真は「フライトレーダー24」の公式ブログから)

南シナ海を避けてマレーシア・フィリピン上空を飛行

   ペロシ氏が搭乗したのは、米海軍のC-40C型機。小型旅客機のボーイング737-700型機を軍用にアレンジした人員輸送機だ。8月2日16時42分ごろ(日本時間)、訪問先のマレーシア・クアラルンプール近郊の空港を出発。同日23時45分ごろ(同)、台湾・台北の松山空港に到着した。

   フライトレーダー24の公式ブログによると、出発直後にインドネシア上空に入った時点で20万人以上が追跡。台湾に近づくにつれて数は増え続け、到着時点では70万8000人に達した。フライトの一部を追跡した人は292万人にのぼった。

   飛行ルートもフライトに注目が集まる一因になったとみられる。民間機は南シナ海上空を通るルートを使い、クアラルンプールと台北を4時間半程度で結ぶ。これに対して特別機はマレーシアやフィリピン上空を通過し、約7時間をかけてフライトした。中国軍機が進出する可能性がある南シナ海を避けたとみられる。

アクセス殺到で登録ユーザー優先する対応も

   フライトレーダー24のウェブサイトやアプリにつながりにくくなる状態が続き、登録せずに利用している人には

「一時的にクラッシュを防ぐための待機ルームを設け、登録プランをご利用中のユーザーを優先して対応しています」

という案内も表示された。

   フライトレーダー24は、航空機が出す「ADS-B」と呼ばれる空中衝突を回避するための信号を活用する。ADS-Bには航空機の位置情報、高度、管制官と交信する際に使う呼び出し符号(コールサイン)などが含まる。世界中のボランティアが地上から受信したデータをフライトレーダーのサーバーに送り、それを集計して世界中の航空機の情報を表示する仕組みだ。

   中国の王毅国務委員兼外相は8月3日朝、ペロシ氏の台湾訪問を

「中国の主権に対する悪意のある侵害で、露骨な政治的挑発であるため、中国国民の強い怒りを呼び、国際社会から広く反対を招いている」

などと非難する談話を出している。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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