2024年 4月 25日 (木)

金融庁警告の「無登録FX業者」宣伝リリースを多数掲載 PR TIMESが謝罪「審査が十分行えていなかった」

読売、朝日など約225媒体と提携

   PR TIMESは、東証プライム上場の同名企業が運営する。

   月間6700万ページビュー(閲覧数、22年11月時点)を数える人気の情報サイトで、企業などは有料で自社のプレスリリースを掲載できる。月間契約プランは8万円、従量課金プランは1件につき3万円だ。

   大きな特徴として、提携メディアにも転載される点がある。読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、スマートニュース、東洋経済オンライン、ブルームバーグなど約225媒体が名を連ね、「最適な20媒体以上に原文転載」するという。企業としては、多くのブランド力のある媒体に少額で露出する機会が得られる。

   PR TIMES側では、多くの読者とパートナーを抱えるだけにリリースの質の担保に力を入れている。配信には企業審査が必須で、リリースも配信後にシステムと目視で全件確認する。

   リリースは事前審査制としている同業他社もあるが、「仮に検閲を過剰に優先させて"発表前"審査を行うと、間違いを防ぎやすくなる一方で、可能性を持つ多くの発表を遅らせてしまうことになります」と説明している。掲載基準に沿わない場合は取り下げや利用停止措置も辞さない。

   掲載基準は、業種別に設けるなど厳格さをアピールしている。22年5月には調査リリースの基準を引き上げ、SNSで称賛を集めた。

   PR TIMESは当時、J-CASTニュースに「プラットフォームをいかに長期的に成長させるかを大事にしていますので、仮に短期的に掲載数が減ったとしても、その件数を取るためにそぐわない内容を許容してしまうことになれば我々のポリシーにふさわしくない」と自社の方針を話していた(詳報:「No.1広告」制限へ...プレスリリース大手PR TIMESが決断 「やらせ横行」で業界団体も危機感)。

   しかし、人気ゲームの不正ツールがチェックをすり抜け紹介されていたことが23年2月に発覚し、PR TIMESは再発防止策を講じる事態となった(詳報:「ポケモンGO」不正指南リリース、PR TIMESに掲載 「位置偽装100%成功」...指摘受け削除)。

   今回の問題も、チェック体制の不備をうかがわせる出来事だ。無登録FX業者が載ったリリースは、産経新聞、時事通信、FNNプライムオンラインなど大手メディアにも転載され、信頼できる情報源から「お墨付き」を得ているという印象を与えかねない。

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