2024年 4月 30日 (火)

なぜ600mL入る容器で「雪印コーヒー500mL」販売? 小2問い合わせに「神対応」...メーカーは反響に驚き&戸惑い

   「雪印コーヒー500ml」の容器には、600mlの水が入るはずなのになぜ100mL少ない状態で販売しているのか。なぜ学校で習う容積の単位「dl」を用いないのか。――児童の問い合わせに対し、雪印メグミルクが粋な回答を行ったとSNSで話題になっている。

   J-CASTニュースの取材に対し、同社広報IR部は2023年7月13日、「普段通りの対応」だったとして反響の大きさに驚いている。

  • なぜ600mL入る容器で「雪印コーヒー500mL」販売?
    なぜ600mL入る容器で「雪印コーヒー500mL」販売?
  • 児童の疑問に答える雪印メグミルクの回答(前田健太さん提供)
    児童の疑問に答える雪印メグミルクの回答(前田健太さん提供)
  • なぜ600mL入る容器で「雪印コーヒー500mL」販売?
  • 児童の疑問に答える雪印メグミルクの回答(前田健太さん提供)

「学校で勉強しているたんいがつかわれていないのはふしぎですね」

   一連のエピソードを伝えたのは、私立小学校教諭・前田健太さん。ツイッターで11日、「すごい自主学習」が提出されたと紹介した。

   ある児童が、雪印コーヒーの500mlパックに入る水の量を調べたところ、600mlまで入ったという。なぜ500mlしか入っていないのか、さらにはなぜ「5dl」という単位で表示しないのか。気になった児童は、雪印にメールで問い合わせた。その結果、すぐに丁寧な回答が寄せられたという。

   ツイートに添付した画像は、雪印から寄せられた回答で、子どもでも分かりやすい言葉で質問に回答している。

   単位の質問については、「学校で勉強しているたんいがつかわれていないのはふしぎですね」と児童の疑問に寄り添いながら、こう答える。

「雪印メグミルクでは、つぎのようなかさの商品を売っています。 1000ml、900ml、500ml、300ml、230ml、200ml、180ml、125ml
これらの中には、デシリットルではうまく表示できないかさもありますね。
でもml(ミリリットル)なら、うまく表示できるので、ミリリットルが使われているのです」

   「dl」は、野菜の種を測るときや病院で血液検査するときに用いられているとも補足している。

「勉強のお役に立てれば、とてもうれしく思います」

   内容量よりも大きめのパックを用いている理由としては、「手に持ったまま開けたり、少し乱暴に開けたり」したときや、開けるために力を入れる際に紙パックが動いてしまうので、中身がこぼれないようにゆとりを持たせていると説明した。

   一連の回答の上で、「また、なにかわからないことがあったら、聞いてくださいね。勉強のお役に立てれば、とてもうれしく思います」と児童にエールを送っている。

   取材に対し前田さんは11日、雪印に質問を送ったのは小学2年の教え子だとして、次のように経緯を伝える。

   その児童は、七夕のときに給食で出たゼリーのカップの容器に何dL入るか興味を持ち、自ら調べ1dLであることを突き止めた。そのうえで「給食の食器にはどれだけ水が入るのだろう?」という新たな疑問を、自主学習ノートに記した。

   前田さんは「(給食の)牛乳パックも気になるよね」とコメントを返した。すると児童は給食の牛乳パックではなかったものの、雪印のコーヒー牛乳のパックについて調べてきた。容量や単位が気になった児童は、保護者協力の下で雪印の問い合わせフォームから質問した。

「自主学習ノートでは、一旦『返事を待ってみます』と締めくくっています。しかし、その日中に返事が来たようで、すぐに会社の返信を続きに書いていました。つまり、数日必要だと思っていたのが、当日か翌日などかなり早い返事がきていたのだと思います」

   ノートには、「私はたくさん入っている方がうれしいが、(600mL入っていないのには)意味があるとわかった」という感想が書いてあったという。

   前田さんは「色々な対応がある中で、子どもの疑問に対して素早い対応をしてもらえるのは大変ありがたいし、すごいことだと感じました」と受け止める。

   なお雪印は公式サイトで、問い合わせ内容によって回答に時間を要したり、回答ができなかったりする場合もあると説明している。

雪印「学習指導要領を確認して、回答を作成することも...」

   取材に対し雪印メグミルク広報は、「当社お客様センターにいただくお声は、年齢問わず、全て大切なお客様のお声です」と述べる。

   未就学児や小学生からも質問が寄せられることがあるという。小さい子どもからは手紙をもらう場合が多く、今回のような質問のほか、「こんな商品を作って欲しい」といった要望、「この商品が美味しい」、「大好き」といった感想も寄せられていると明かした。

   子どもに回答する際には、年齢や学年に合わせた内容になるよう、説明の表現方法や使用する漢字も気を付けているという。

「学齢期の場合には、学習指導要領を確認して、回答を作成することもあります」

   今回の反響については、「驚きとともに戸惑いを感じております」と漏らす。

「お子様からのお問い合わせへの対応は、今回が初めてでなく、当社お客様センターは、普段通りの対応をさせていただきました。
お子様が抱かれる素朴な疑問は、大人にはない視点もあり、私どもも大変勉強になっております」

   夏休みの自由研究専用サイトも設けており、そちらも参考にしてほしいと呼びかけた。

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