薄氷踏む自民、首長選で「1勝1敗」 果たしてこれは「痛み分け」なのか

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   岸田内閣の支持率が低迷を続けるなか、地方の首長選挙でも薄氷を踏むような状況が続いている。

   2023年11月12日には、東京都青梅市長選と京都府八幡市長選が投開票され、自民、公明が推薦した候補は「1勝1敗」。ただ、八幡市長選で当選した候補は立憲も推薦しており、必ずしも自民にとっての「白星」とは言い切れない。

  • 低迷する内閣支持率が地方の選挙にも影響している(写真はイメージ)
    低迷する内閣支持率が地方の選挙にも影響している(写真はイメージ)
  • 低迷する内閣支持率が地方の選挙にも影響している(写真はイメージ)

保守地盤&自公協力復活でも「大敗」

   青梅市長選では、無所属新顔の前市議、大勢待(おおせまち)利明氏(48)=国民民主党、都民ファーストの会推薦=が、3選を目指した無所属現職の浜中啓一氏(71)=自民党、公明党推薦=を破って初当選。首都圏の市長選では、9月の立川市、10月の埼玉県所沢市でも自民推薦候補が敗れており、3連敗を喫した形だ。

   青梅市は保守系の地盤が固いと考えられてきた。これに加えて、自民・公明は次期衆院選の候補者調整をめぐる方針で対立が激化し、23年5月に公明側が都内での選挙協力解消の方針を打ち出した。その後、9月選挙協力「復活」で合意。その上で臨んだ選挙戦だったが、得票数は大勢待氏2万6042票に対して浜中氏は 1万7152票と、大差で敗北を喫した。地盤が揺らいできたとの見方も出そうだ。

   八幡市長選は新顔3人で争われ、元京都市職員で無所属の川田翔子氏(33)=自民、立憲、公明推薦=が、元京都府議で日本維新の会公認の尾形賢氏(43)と元八幡市議で無所属の亀田優子氏(62)=共産推薦=を破って初当選した。全国市長会によると女性市長では全国最年少。投票数はそれぞれ1万516票、8334票、5878票。川田氏は与野党3党が相乗りしているため、「自民の白星」である一方で、「維新の黒星」としての意味合いの方が強いと言えそうだ。

前回市長選の対抗馬は共産党推薦候補だけだった

   川田氏は、辞職を表明した堀口文昭市長(71)の後継として出馬を表明。ただ、堀口氏が3選された20年の市長選では、自民、立憲、国民、公明の4党の推薦を受けて当選。対立候補は共産党が推薦する候補のみで、維新の候補者はいなかったため、今回の市長選とは構図が異なる。

   議会選でも自民への逆風が続く。福島県議選(定数58)では、無投票だった17議席を除く41人の当選が決まった。最大会派の自民は改選前の31議席から2つ減らして29議席で、過半数を割り込んだ。

   支持率は下げ止まる兆しが見えない。産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が11月11、12両日に行った世論調査の結果が13日に発表され、内閣支持率は前回10月調査よりも7.8ポイント低い27.8%で、不支持率は9.2ポイント高い68.8%だった。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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