「ハンバーガーが食べたい」か、それとも...
渡辺氏は、今回のマクドナルドの値上げがモスバーガーへの客流出といった「大きな動きにはならないでしょう」とみる。
「マクドナルドは、一番シンプルなメニューである『ハンバーガー』の価格が170円。モスバーガーの最もシンプルなメニューの『モスバーガー』は440円。ここから分かるように、マクドナルドは低価格帯に、モスバーガーは中価格帯にあると言えます。個々の商品で価格の逆転現象があっても、価格帯が動いたわけではなく、したがって客が大量に動く事態にはならないでしょう。 加えて、マクドナルド利用客は『ハンバーガーが食べたい』という意識が多いのに対し、モスバーガーに利用客は『モスバーガーの商品が食べたい』という明確な目的意識があるように感じます」
「ハンバーガー」という大きな括りだと、マクドナルドをイメージする人が多いということのようだ。そうなると、商品単価が多少上がっても、ブランドにこだわらず一般的なハンバーガーを思い浮かべる人なら従来どおりマクドナルドを訪れるかもしれない。
なお、渡辺氏はマクドナルドの「フィレオフィッシュ」と、モスバーガーの「フィッシュバーガー」について以下のように語った。前述の通り、マクドナルドが値上げによって価格が上回った商品だ。
「価格が逆転したことを機に、モスバーガーでフィッシュバーガーを頼んでみてはいかがでしょうか。私の感想ですが、マクドナルドのフィレオフィッシュに遜色なくおいしいです。それが、マクドナルドよりも安く手に入ることになるわけですからね」
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)