米大リーグのドジャースが2024年3月21日(日本時間)、違法賭博への関与を理由として大谷翔平選手の専属通訳の水原一平氏を解雇したことを米メディアなどに対して明らかにした。そんな中で米日刊紙ロサンゼルス・タイムズによる記事が、日本でも注目を集めている。監督時代の賭博を理由に大リーグを永久追放された人物と大谷選手を比較する記事だ。「大谷翔平はピート・ローズではない。少なくともまだ」水原氏はエンゼルス時代から大谷選手の専属通訳を務めてきた。渡米直後は球場までの運転を行っていたほか、キャッチボールに付き合うなど公私問わず大谷選手の支えになってきた。大谷選手とともに新天地入りした水原氏だが、ドジャースは水原氏を解雇したことが21日に明らかになった。報道によると、大谷選手の代理弁護士が、水原氏が大谷選手の資金について「大規模な窃盗」に手を染めたと告発。水原氏は、大谷選手の口座から数百万ドルの資金を違法なブックメーカーに送金した疑いがあるとされる。こうした中、ロサンゼルス・タイムズは22日(現地時間)、「IsShoheiOhtanianotherPeteRose?Dodgersstarmaybeinlegaltroubleifhepaidgamblingdebt(大谷翔平はピート・ローズの再来か? ドジャースのスター、賭博による借金返済なら法的問題への発展も)」とする記事を公開した。ピート・ローズ氏は大リーグでの最多試合出場記録や通算安打記録などを保持している元プロ野球選手だが、1989年に監督時代の野球賭博疑惑を受けMLBからの永久追放処分を受けた。以後、数回永久追放処分解除の要請を行うも、十分な更生が見られないことなどを理由にMLBへの復帰は許されていない。LAタイムズ紙は、「大谷翔平はピート・ローズではない。少なくともまだ」として大谷選手とローズ氏を比較した。「たとえ友人を助けるためだけにやったとしても...」記事では、ローズ氏について「依然としてファンの間で人気があるが、復帰の試みは失敗に終わっている。彼は殿堂入りも禁止されている」とする一方で、「29歳の大谷にそのような危険はなさそうだ」と対比。ただ「ドジャースの新たなスーパースターは、不快なほどにギャンブルとの距離が近かった」とも指摘した。アメリカのスポーツ専門チャンネル・ESPNが行ったインタビューの中で水原氏が「翔平は賭け事には全く関与していないことを皆に知ってもらいたい」と語っていたことに触れた上で、賭博法の専門家でウィッティア大学の名誉教授のI.ネルソン・ローズ氏による解説として「大谷選手が水原氏の賭博負債を支払った場合、法に違反したことになるかもしれない」ことを挙げた。「違法賭博のためと知りながら借金を支払ったのであれば、かなり深刻な連邦処罰の対象となる可能性がある」「連邦法には、違法賭博業者の債権回収を手伝えば、賭博業を営んでいることになるという規定がある。たとえ友人を助けるためだけにやったとしても、彼はブックメーカーの債権回収を手伝っていることを知っていたのは確かだ」こうした報道について、米国のファンからは「大谷がよほど間抜けでない限り、これは何か怪しい。私が大谷なら、誰かのギャンブルの借金を返済するために個人の銀行口座から資金が引き出されるのは超ド級の赤信号だとわかるはずだ。私たちが知る由もない何かが、この件にはあると思わざるを得ない」「彼は借金を支払ったが、その結果、賭博の借金に巻き込まれることを知らなかったのは明らかだ」など釈然としないとする声が寄せられた。Xでは「永久追放」がトレンド入りするなど、大谷選手の今後について心配するコメントが相次いでいる。「今まではベーブルースと比較されていたが、これからはピートローズと比較されるのだろうか」
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