産経新聞社が発行する夕刊紙「夕刊フジ」が2025年1月31日発行の2月1日号で休刊した。夕刊フジ、日刊ゲンダイ、東京スポーツの3夕刊紙が駅売店などに並ぶ、首都圏ではおなじみの光景も、この日が最後になった。駅売店では、見出しなどが書かれた「前垂れ」と呼ばれるチラシがスタンドに掛けられる。夕刊フジの前垂れには「最終号56年間ありがとうございました」の文字が躍り、ゲンダイと東スポはそれぞれ「夕刊フジいままでありがとう」「夕刊フジこれまでお疲れ様でした」の見出しを掲げてライバル紙をねぎらった。仕事帰りのサラリーマンに愛された「オレンジ色のニクい奴」夕刊フジは1969年創刊。オレンジの見出しがトレードマークで、「オレンジ色のニクい奴」などのキャッチフレーズで知られた。昭和、平成、令和にわたって、仕事帰りのサラリーマンに愛された。J-CASTニュースも09年1月から「週刊J-CAST通信」として、土曜日発行の紙面に記事を提供。21年12月まで続いた。24年10月に休刊を発表。この時点では公式サイト「zakzak」も更新終了するとしていたが、25年1月27日に「芸能・エンタメサイト」としてリニューアルし、存続することが発表されている。最終号では、ジャーナリストの櫻井よしこ氏や高市早苗元総務相の単独インタビューを掲載。1面ではオレンジ色の「56年間ありがとうございました!!」の見出しで感謝を伝えた。1週間前に「お疲れ様」広告の日刊ゲンダイに「ありがとう」一方、この日の日刊ゲンダイの紙面には、夕刊フジが「夕刊フジは1月31日に56年の歴史に幕を下ろします。長きにわたり、ありがとうございました」というメッセージつきで全面広告を出している。日刊ゲンダイは、1週間前に「夕刊フジ様 長い間、本当にお疲れ様でした。そして、ありがとうございました。 日刊ゲンダイ」と記した広告を夕刊フジに出しており、返礼の意味合いもありそうだ。中日新聞社が発行するスポーツ紙、東京中日スポーツも、紙媒体の発行は1月31日で終了し、2月からは電子版に全面移行する。(J-CASTニュース編集委員兼副編集長工藤博司)
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