大手4キャリアのスマホサービスのシェアと満足度はどこが高いのか。
モバイル専門の市場調査を行うMMD研究所(運営元はMMDLabo、東京都港区)が2025年3月3日に発表した「2025年2月 MNOのシェア・満足度調査」によると、シェアでは最下位クラスの「POVO」と「LINEMO」が、総合満足度では1、2位のツートップとなる結果に。
それぞれのサービスの特徴は何か。調査担当者に聞いた。
総合満足度トップ3は、「povo」「LINEMO」「楽天モバイル」
MMD研究所の調査(2025年2月1日~6日)は、スマホを所有している18歳~69歳の男女4万人を対象に予備調査が行われ、その後、各プランのユーザー(300人ずつ計2700人)に本調査が行われた。
調査対象となったサービスは、携帯電話大手4キャリアの「docomo」(NTTドコモ)、「au」(KDDI)、「SoftBank」(ソフトバンク)、「楽天モバイル」(楽天モバイル)と、サブブランドの「ahamo」(NTTドコモ)、「povo」(KDDI)、「UQ mobile」(同)、「LINEMO」(ソフトバンク)、「Y!mobile」(同)の9つだ。
まず、通信契約している3万6836人に、メインで利用しているサービスを聞いた。大手4社の9サービスを利用しているのは合計90.9%で、残り9.1%がいわゆる格安スマホ(MVNO)だった。
9サービスの利用者に絞り、そのシェアを調べると、1位「docomo」(30.2%)、2位「au」(16.4%)、3位「Y!mobile」(11.3%)、4位「SoftBank」(11.1%)、5位「楽天モバイル」(10.4%)、6位「UQ mobile」(9.6%)、7位「ahamo」(7.2%)、8位「povo」(2.5%)、9位「LINEMO」(1.2%)という順になった【図表1】。
ほかのサービスがほぼ横ばいか減少傾向なのに対し、「ahamo」が0.6ポイント、「楽天モバイル」が0.2ポイント上昇したことが目立つ。
ところが、予備調査から9サービスを利用している2700人(各300人ずつ)を抽出して「総合満足度」を聞くと、順位が大きく変わった。
「満足度」を、「料金部門」(安さ、プランの分かりやすさ)、「サービス部門」(提供端末やオプションプランの豊富さ)、「通信品質部門」(データ通信速度、つながりやすさ)、「顧客サポート部門」(情報の豊富さ、サポート対応の良さ)の4部門で聞き、合計ポイント(1000満点)で「総合満足度」をランキングする。
すると、意外な結果に。
総合満足度1位にシェア8位の「povo」(741点)が、2位にシェア9位の「LINEMO」(730点)が入った。一方、総合満足度8位(最下位)にシェア1位の「docomo」(633点)、6位にシェア2位の「docomo」(648点)が入った【図表2】。 つまり、シェアの上位グループが、総合満足度では下位グループに陥落する逆転劇になったわけだ。これはどういうわけか。