「30まで」と言いつつ、明日辞めても後悔がないように
―― 写真集で活動の幅が広がると思います。今後やりたいこと、目標などあればお聞かせください。
鎌田: エッセーを書かせていただけたことで、書き物は仕事としてやってみたい、という思いが強くなりました。グループとしては、チーム編成が変わりました。
―― 「チームKII」副リーダーに就任しましたね。
鎌田: そこはどうにでもなります(笑)。大丈夫です。みんなしっかりしていますから。ただ、「チーム編成変えたので、新チームです」と言われて、すぐにチームになれるかというと、違うとも思います。SKE48は、私を含めて色々な仕事をさせていただいていますが、(チームは)メンバーが帰って来られる場所にしなきゃと思っているので、ファンの方もメンバーも愛着が持てるチームに作れるように、と考えています。先輩が不機嫌だと良いチームにはならないので、そういうところからだと思っています。
―― グループの中では最年長なので、雰囲気づくりもひとつの役割、ということですね。
鎌田: ずっとご機嫌でいたいです。
―― ところで、巻末のインタビューでは、アイドルは30歳ぐらいまで、という趣旨の発言がありました。そろそろ卒業も視野に入ってきますか。
鎌田: 最初の頃は「いつまで」とは決めていませんでした。走り切るには体力がいると思いますが、一度アイドルというか、人生30までだと思って全部頑張ってみようと思いました。今、その途中なんですよ。そう思って、全部やりきれるようにはしています。「30まで」と言いつつ、明日辞めても後悔がないようにしたいですね。
―― 「後悔がないように」という点は重要だと感じます。鎌田さんは長く選抜メンバーですが、メンバーは入れ替わりが激しいですね(編注:最新曲「Tick tack zack」は異例の12人選抜で、鎌田さんは選抜から外れた)。また次の曲では......という思いはありますか。
鎌田: 入ったらうれしいし、入らなかったら悔しい、それだけです。この仕事は(努力に対して)結果が見合わないことはいくらでもありますが、その結果がどうであれ、ファンの方が絶対にいます。だから私はファンの方が喜ぶことをします。これからもそれはずっと変わらないと決めているので、どんな形であれ、最終的にはファンが喜ぶように......というだけです。
―― 先ほどは「書き物」に対する関心について話していましたが、「ファンが喜ぶ」という観点では、レポーターのような仕事への関心はいかがですか。名古屋のさまざまなスポットをめぐる「まるっと!LOVE旅」(NHK名古屋放送局)の最近の放送では、鶴舞(つるま)公園(名古屋市昭和区)を紹介していました。
鎌田: そうなんですよ、「つるま」なんですよ......!3年くらい、楽しくやらせていただいているお仕事です。歴史というのは、人と人が会って何かが起きた結果だと思うので、それを紹介するのは楽しいです。ぜひ続けていきたいです。
鎌田さんは「お渡し会」と呼ばれる発売記念イベントを5月24日にHMV&BOOKS SHIBUYA(東京都渋谷区)、5月31日に星野書店近鉄パッセ店(名古屋市中村区)、6月1日にTSUTAYA EBISUBASHI(大阪市中央区)で開く。大阪では5月6日まで、名古屋では5月31日まで、パネル展も開かれている。
鎌田菜月さん プロフィール
かまた・なつき 1996年生まれ、愛知県出身。2012年に6期生としてSKE48に加入。22枚目のシングル「無意識の色」(18年発売)で初の選抜入りを果たす。25年4月のチーム再編成で、チームKIIの副リーダーに就任。漫画・アニメ、活字、歴史、将棋など、多趣味で知られる。