JA全農が19万トン落札も出荷したのは29%
備蓄米は農水省が「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」(需給安定法)に基づいて、毎年20万トン程度を買い入れて、最大5年にわたって保管している玄米だ。
それを卸売業者が手に入れるには、法律に基づいた厳しい入札要件がある。
そのひとつが、年間の仕入量が5000トン以上の大手の集荷業者でなければ入札・落札できない、というものだ。
さらに農水省は備蓄米が転売によって価格のつり上げが行われることを恐れ、今回2回目まで備蓄米を仕入れた卸売業者が別の業者に販売させないような施策をとっていた。
中小の卸売業者は手が出せず、2回目に放出された備蓄米は94%がJA全農(全国農業協同組合連合会)が落札する結果となった。
この結果を見た農水省は、4月の入札から卸売業者同士の販売を認めることにした。
ところで、このJA全農が2回目までに落札した備蓄米約19万トンのうち、契約先に出荷したのはわずか29%(5月1日の時点で)と、流通が停滞していることが明らかになっている。