「キレる高齢者」は脳機能が低下している 50代以上に多いカスハラ加害者、 社会から孤立しストレス暴発

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   従業員が客からの暴言や暴力、理不尽な要求を受けるカスタマーハラスメント(カスハラ)の対策が、加速している。政府が2025年3月、カスハラ対策を雇用主に義務付ける法案を今国会に提出したのを皮切りに、東京、北海道、群馬の3都道県が4月にカスハラ防止条例を施行するなど、まさに2025年はカスハラ防止元年といえる。そのカスハラ行為、実は加害者の多くを占めるのがシニアを含む中高年世代というのが実態だ。分別があるべきはずの中高年が、カスハラ行為に走るのはなぜか。

  • 2025年はカスハラ防止元年
    2025年はカスハラ防止元年
  • 画像はパーソル総合研究所ホームページより
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  • 2025年はカスハラ防止元年
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「加害男性の年齢」60代以上が47.2%と最多

   大阪・関西万博の会場で4月、警備員が来場者に土下座する動画が拡散し、「カスハラではないか」との騒動が起きた。これを受け、日本国際博覧会協会はカスハラに当たる言動があれば、入場拒否や退場などの対応を取るといった基本方針を公表した。

   カスタマー(顧客)とハラスメント(嫌がらせ)を組み合わせた造語、それを略した「カスハラ」は今や、大きな社会問題の一つとなっている。私鉄やJRなど全国の鉄道37社が集計した2023年度の駅係員や乗務員に対する暴力行為件数は517件。発生の時間帯は夜や深夜が多く、加害者の過半数(53.9%)が酒気を帯びていた。もう一つの特徴が加害者の年齢構成だ。60代以上が22.8%と最多で、これに続く50代19.9%を含めると、50代以上が42.7%と全体の4割を超えた。

   パーソル総合研究所が2024年に実施したカスハラに関する定量調査(インターネット)は、その傾向がさらに顕著となる。被害者に加害男性の年齢を複数回答で尋ねたところ、60代以上が47.2%と最多を占め、50代39.3%、40代31.7%、30代16.8%、20代未満10.1%と続く。加害者は高年齢層ほど増えていくという際立った傾向は女性でも変わらない。

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