鬼キャン改造はデメリット多い
車高調のキットは多くのサスペンションメーカーが開発し、スポーツパーツを扱うショップなどが販売している。初心者であれば、信頼できるショップと相談して車高調の種類やセッティングを決めるのがよいだろう。
一部の愛好家の間では、クルマの左右のタイヤを正面から見た場合、「ハの字」のように斜めとなる「鬼キャン」に改造することが流行っている。車高は極端に低く、昔風に表現すれば「シャコタン」だ。そんな鬼キャンをカッコいいと感じる人もいるらしい。
鬼キャンとは「極端なネガティブキャンバー」のことだ。キャンバーとはタイヤをサスペンションに取り付ける角度の一つで、クルマの直進安定性やコーナリング性能を左右する。
自動車を正面から見て、タイヤの上部が内側(ハの字)に傾いている状態を「ネガティブキャンバー」、外側(逆ハの字)に傾いている状態を「ポジティブキャンバー」という。
鬼キャンのクルマは最低地上高を9センチ以上確保できず、車検をパスできないだろう。さらにタイヤがフェンダーからはみ出していれば、それだけでも車検に通らない。
鬼キャンはタイヤの偏摩耗につながるほか、ハブやベアリングに負担をかける。直進性やコーナリングでもデメリットの方が大きい。車検に合格せず、不正改造とみなされれば、罰金などを科される場合もある(道路運送車両法99条の2)。
いずれにしても、自分のクルマの車高を下げるなら、保安基準を守り、節度を持って楽しむようにしたい。
(ジャーナリスト 岩城諒)