2025年6月10日に開催されたAppleのイベントWWDC25では、新OSのiOS26がおおいに注目された。iOS26で驚かれたのは、2013年にリリースされたiOS7以来のデザイン変更が施されたこと。その名も「LiquidGlass」。これは、アイコンの半透明化により、より奥行きを強調させるデザインになっているという。今秋、リリースが予定されており、ユーザーにとっては待ち遠しい。しかし、重要なのが対応機種。iOS26は、なんとiPhoneSE2に対応することも朗報となった。中古市場では大人気のSE22020年4月に発表されたiPhoneSE2。すでに5年が経過した機種だが、日本の中古市場では販売数上位に君臨する人気商品である。中古スマホの個人向け販売・買取サービス「にこスマ」を運営する株式会社Belongによると、SE2(64GB)はにこスマでの2025年5月の中古スマホ販売数2位に入っているという。SE3、iPhone13を下位に抑えている結果だ。日本人の手に馴染みやすいサイズで、またTouchID搭載のホームボタンに今でも根強い需要があることがSE2の人気の土台になっているといわれている。そんなSE2は、果たしていつまで使い続けることができるのか?言い換えれば、AppleはSE2をいつまでサポートしてくれるのか?そう不安に感じている人にとっては、iOS26の対応機種にSE2の名前があったことは朗報のはずだ。「新しいウォレット」が利用できる!では、iOS26にはどのような新機能があるのか?Appleが全面に押し出すのは、AppleIntelligenceに関連する機能だ。メッセージ、FaceTime、電話に組み込まれるライブ翻訳機能は、なんとテキストだけでなく音声もその場で通訳してくれるという。また、画面上に表示されている画像を検索する機能も備わっているとのこと。ただし、SE2は、AppleIntelligence非対応機種。翻訳やメール等の文章要約に関しては最新ナンバーに活躍の機会を譲らざるを得ない。そこで、iOS26をインストールしたSE2におおいに期待できるのは、Appleウォレットではないか。ユーザーはApplePayで支払いをする場合、他のアプリに頼らず実店舗での分割払いやポイント払いを指定できるという。支払いに関する多様性・柔軟性が向上するということだ。また、ウォレットに飛行機の電子チケットを組み込めば、空港案内、ロストバゲージの追跡や報告、フライト情報の確認もできるという。もっとも、分割払いとポイント払いについては、これが即座に日本向けに対応できるという意味は持ち合わせていないようだ。Appleはこう説明している。お店でApplePayを使った支払いをする際に、クレジットカードやデビットカード(分割払いプロバイダを含む)の分割払いを利用できる機能は、米国のAffirm、CashAppAfterpay、Klarna、Synchrony、U.S.Bank、英国のMonzo、Klarna、カナダのKlarnaを手始めに利用できるようになります。ApplePayを使った店頭での購入にポイントを利用できる機能は、米国のSynchrony、U.S.Bankを手始めに利用できるようになります。(Apple、iOS26でiPhoneの体験をさらに上のレベルへ-AppleNewsroom)だが、Appleの動向を日本の各金融機関が見逃すはずはないだろう。今秋予定のiOS26のリリースに向けて、大手クレジットカード発行者が何かしらの大きなアクションを起こす可能性は十分にある。もしも手元のiPhoneで分割払いを指定できるようになると、店舗のレジ店員に「分割払いでお願いします」と口頭で伝える必要はなくなるだろう。やはり店頭で「分割払いでお願いします」と言うのは、少なからず抵抗感があるのでは。そうした「日常のちょっとした煩わしさ」をショートカットできるという意味で、新しいウォレットには大きな期待したい。なにより、SE2はまだまだ第一線で活躍できる機種であることが保証されたことは、このうえない朗報だ。(澤田真一)
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