2025年4月6日にNEXCO中日本管内の高速道路で発生したETCの大規模障害。これは、さまざまな動揺をもたらす出来事だった。
ゲートバーが上がらなくなった料金所前では大渋滞が起こったが、NEXCO中日本は長時間ゲートを開放せず、そのために事故まで発生した。さらに、該当期間に高速道路を利用していた利用者に対してNEXCO中日本は「後日払い」を要求していた。
法的根拠を掲げていたとはいえ、あまりに非現実的な対応だった。大きな批判を受けたNEXCO中日本は、この後日払いを撤回している。
波紋はさらに広がり、NEXCO3社が実施する予定だった「新しい深夜割引制度」の開始時期の延期にもつながっている。
暗算が簡単だった旧制度
NEXCO3社の高速道路で実施されている深夜割引制度は、0時~4時までに道路を走行した車両に適用される。割引適用時間帯に少しでも触れていれば、それまでの全走行分料金から30%が出口料金所で割引されるというシンプルな仕組みだ。小学生でもすぐに暗算できるだろう。
一方、この7月に運用が始まる予定だった新しい深夜割引制度では、適用時間帯が22時~翌5時までに延長。これだけを見れば、利用者にとって、非常に有利な条件になったとも思える。
しかし、新制度では「割引適用時間帯を少しでも走行すれば、それまでの全走行分の料金が30%OFFになる」という仕組みは廃止される。代わりに導入されるのは「割引適用時間帯の走行分のみを割引する」というものだ。