参院選が2025年7月3日公示され、20日の投開票日まで17日間にわたる選挙戦がスタートした。6月の都議選で議席を伸ばした参政党は、神谷宗幣代表らが東京・銀座で第一声をあげた。
参政党は「保守」色が強いと受け止められており、憲法観を疑問視する向きもある。演説後のぶらさがり取材で、この論点について質問した東京新聞・望月衣塑子記者に対して、神谷氏が「フェイクニュース」だと非難する一幕もあった。
「国は、主権を有し」は「国民主権の否定」なのか
第一声では、神谷氏が参院選に向けたキャッチフレーズ「日本人ファースト」の意義を強調。さらに、
「我々は自公政権の政策にはNOだ。しかし選択的夫婦別姓とかLGBTとか、そういうイデオロギーの絡んだ、共産党や立憲民主党の政策にもNOだ」
などと述べた。演説では言及しなかったが、独特の憲法観も論点のひとつだ。党が5月に発表した「参政党が創る新日本憲法(構想案)」では、主権について「国は、主権を有し、独立して自ら決定する権限を有する」(第4条)とあり、これが国民主権の否定だという批判が出ている。
「そういう切り取りはやめていただきたい。まさにフェイクニュース」
神谷氏が演説後に報道陣の取材に応じる中で、望月記者が「主権は国家で、主権は国民ではない」という指摘があることについて質問した。神谷氏は
「いや、それはまず読み方が間違っていて、国家の主権を守らなければ結局国民主権は守れない。国民主権は大前提。当たり前」
などと反論し、「国民主権を守るためには、国家にちゃんと主権がないと...」とも。「国家主権と国民主権は並立している」として、
「国家主権と書いたから国民主権じゃないんだ、というのは間違った解釈。あれはたたき台なので、つぎの案にはちゃんと国民主権と書く。参政党は別に国民主権と言ってないとか、そういう切り取りはやめていただきたい。まさにフェイクニュース」
などと述べた。
応援演説には、元航空幕僚長の田母神俊雄氏や経済評論家の三橋貴明氏も姿を見せた。
(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)