参院選の争点は給付金か消費税減税・廃止かということになって、「将来の社会保障の維持のためにも、どちらでもなく、まず財政の立て直しを進めてほしい」と考える有権者は、投票先がなくなってしまっている。
「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)の金曜コメンテーター長嶋一茂さん(スポーツプロデューサー)も、2025年7月4日放送で、目先のことより6年後のことを考えてほしいと正論を展開した。
「これから6年間、激動の時代に入る」
テレ朝系ネットワークANNの世論調査で、「参院選で最も重視する政策は?」と聞いたところ、一番多かったのは「景気・物価対策」で、次いで「年金・社会保障制度」だったと、アシスタントの松岡朱里アナが伝えると、一茂は堰を切ったようにしゃべりだした。
「短期、中期的な部分(政策)もありますが、参議院は解散がなく6年間の任期を務めるんですけど、6年間ということは、たとえば6年後の世界はどうなっているのか、6年後の日本ってどういう、外交政策でいうと立ち位置になっているんだろうか。これから6年間もまた激動の時代に入るんで、どうなってるか予想がつかないこともあると思うんです」と熱く語る。
「世界がどうなるか考えてほしい」
そして、「温暖化対策で、気候変動で世界はどうなっているのかということを考えなくてはいけないし、国内に目を向けると、地震の時の対策であったり、国交省の道路対策であったり、教育の問題も含めて、福祉の充実があり、教育保障の充実であったり、6年のスパンで考えると(各党の)この政策ではちょっとピンとこない部分があるんですよ」と手厳しい。
いつもはお堅い方面担当のレギュラーコメンテーター玉川徹さん(ジャーナリスト)も聞き入っている。一茂の熱弁はさらに続く。
「選挙をにらんで、まずは物価高対策で現金給付か減税なのという論議が行われるのはすごくいいことだと思うんですけれども、給付金になったとき、われわれも5万円、10万円もらってよかったね、で終わってはいけないと思うんです。いま言ったみたいに、6年後の日本はどうあるべきか、世界はどうなっているのかということを考えられる方が出てくれるといいなと感じますね」
テレビの前で、「その通り!」「いいぞ一茂!」と拍手喝采した視聴者は多いのではないか。
(シニアエディター 関口一喜)