東京都府中市内の人気店「ラーメン二郎」府中店が、店の運営に影響が出るため20分以内に食べるようXで投稿したところ、賛否両論が噴出している。
店には、「怖い」「高圧的」といった声が寄せられたといい、その後、「ご迷惑と不快感をもたせてしまった」としてXで謝罪した。券売機に掲げた張り紙もなくしたとしている。
「店の事情もある」「嫌なら行かなければいい」の声も出たが...
「最近、極端にゆっくり食べている方が増えまして」。ラーメン二郎府中店は2025年7月4日、公式Xの投稿でこう切り出し、店主とSNS担当者の連名でこう告げた。
「ロット乱れたりお店としても困っています。お食事は『最大』で20分以内にお願いします」
ロットとは、大釜で一度にいくつかの麺をゆでる回数を指すらしい。
この投稿で、券売機に掲げた張り紙の写真もアップしている。そこでは、「御食事は20分以内で、御願い申し上げます」と手書きされ、「20分以内」が赤字で強調されていた。
行列もできる人気店だけに、投稿は、大きな反響を集め、様々な意見が寄せられた。
食べるのを急かすような内容のため、異論も多かった。「あの分量で急かされるのは無理」「食べる速度はどうしても個人差が」「せめて30分に伸ばそうかな? ぐらいは考えて」といった意見だ。
一方で、「店には店の事情もある」「嫌なら行かなければいいだけ」「健康を気にするような人がいくお店ではない」などと投稿内容に理解を示す声も出ていた。
二郎好きな著名人もXで発言しており、格闘技イベント「RIZIN」にも出場した元ホストで格闘家のYUSHIさん(37)は、別のラーメン二郎の店で急かされた経験を明かした。同じロットで早食いが2人いたため、半分食べたところで、「お客さん早く食べてもらっていいですか? 待ってる人いるので」と店員にプレッシャーをかけられたという。
「店頭の20分制限の張り紙は無くしました」と明かし謝罪
YUSHIさんは結局、「最後まで食べきれずに出た」として、「携帯すらいじらず必死に食べてるのに早食いのペースに合わせろはひどいなと思った経験がある。 それでも二郎が好きだから文句言わずに帰りました」と報告した。
一方、元日本ライト級プロボクサーのジロリアン陸さん(37)は、店への異議に対し、「ラーメン1杯普通に食べて30分かかることがあるってそんなやついるか? 見てみたい 麺3本ずつぐらい食べてモグモグしてる感じか」と二郎愛好者の立場から疑問を投げかけた。
そして、「みんなの為に行列店には行くな!ファミレス行け!」と呼びかけた。その後の投稿でも、「家で食べるなら自由ですが。そもそもそんなに時間かけて食べる料理ではないかと」と店の訴えに理解を示している。
ラーメン二郎府中店も、リプライに反応しており、20分では食べられないので他店を利用するとした投稿に対し、Xで「どうぞどうぞ」と突き放すような発言をした。早く食べる客には割引券を出したらどうかとの提案に対しては、「しません」と即答していた。
しかし、店では、7月7日になってXを更新し、SNS担当者が投稿について謝罪する事態になった。「今回のお騒がせした件についてお詫び報告させて頂きます。大変申し訳ありませんでした」とつづり、次のように説明した。
「今回の張り紙、それのSNSへの投稿、そこでのリプライによる厳しい言葉など使い、ラーメン二郎は怖い店だ、高圧的な店だと誤解させる結果となり、お客様、二郎関係者、多方面にご迷惑と不快感をもたせてしまい、大変申し訳ありませんでした。深く反省しております。まず店頭の20分制限の張り紙は無くしました。そしてそれに関わる投稿も削除しました。そして今後はSNSへの投稿は府中店店主が発信することにします。改めてですが、今回の発言、大変に失礼しました」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)