7割以上が通報も報告もしていない
見て見ぬふりは、別の調査でも明らかだ。「社会保険労務士法人KiteRa」が企業従業員を対象に行った意識調査では、ハラスメントなどコンプラ違反を目撃しても、報告したのはわずか23.1%、7割以上が何の報告も通報もしていない。
そもそも、「社内に報告する仕組みがない」「報告の仕組みがわからない」という回答が7割以上で、どうせ握りつぶされてしまうと最初から報告しないケースは多いのではないか。
一方、管理職や一般社員の4割以上は自分の言動がハラスメントに当たることがあったと自覚している。コンプライアンス違反、ハラスメントに対する意識は高まったが、かえって見えない形で陰湿に広がっている可能性は高い。
「KiteRa」は「企業が把握しているコンプライアンス違反が、実際には『氷山の一角』に過ぎず、水面下に大きなリスクが潜んでいる可能性を示唆しています」と指摘している。見て見ぬふりをしていると大事になる――フジテレビが教えている。
(シニアエディター 関口一喜)