プロ野球DeNAの元ヘッドコーチで野球解説者の高木豊氏(66)が、2025年7月8日にユーチューブを更新し、DeNAの戦力補強に関して、独自の視点で分析した。
「昨季は困ったときのフォードだった」
DeNAはこの日、マイク・フォード内野手(33)を獲得したことを発表したばかりだ。
大リーグのニューヨーク・ヤンキース、サンフランシスコ・ジャイアンツなどでプレーしたフォードは、24年7月にDeNAに途中加入した。
来日1年目の昨シーズンは、レギュラーシーズン6試合の出場にとどまったが、ポストシーズンでは、代打の切り札として活躍。打率3割超えで、チームの日本一に大きく貢献した。
24年オフにDeNAを退団し、米国に戻り大リーグのミネソタ・ツインズとマイナー契約を結んだ。25年シーズンはマイナーでプレーし、結果を残せず6月2日に自由契約となった。
フォードの打力を高く評価する高木氏は、「DeNAにとってフォードは、本当にいい外国人」と切り出し、こう続けた。
「(昨シーズンは)助っ人という名にぴったりの活躍をしてくれた。困ったときのフォードだった。シーズン途中でも、パッとフォードを(1軍に)上げて使ってみたら打つなと。だけどポジションがかぶる。だからそういう意味では、フォード自体はいい思いをしていないかもしれないが、今はオースティン(の復帰)がいつになるか分からないから」
チームは今シーズン、打撃が低迷しており、チーム打率はリーグ4位の.228。頼みの主砲タイラー・オースティン内野手(33)は、右膝の違和感のため、6月6日に出場選手登録を抹消され、戦線離脱している。
「起爆剤としてフォードが打線を引っ張っていく形になると」
このような状況の中、高木氏はフォードの起用法について持論を展開した。
「今、佐野(恵太)がファーストをやっているが、外野手は競争相手が多い中、ちょっと打てばレギュラーになれるのに、梶原(昂希)にしてもあまり状態がよくない。そういう意味では、佐野を外野に固定して、フォードをファーストにすると非常に落ち着く。全体的に打てないから、起爆剤としてフォードが打線を引っ張っていく形になるとありがたい」
フォードが入った打順に関しては、「単純に考えると、桑原(将志)が1番を打つのが理想」とし、次のように私見を述べた。
「フォードの2番は現実的ではない。状態が良ければ、度会(隆輝)を2番に据えてもいい。これが理想。3番に佐野、4番に牧(秀悟)。それで、宮崎(敏郎)、フォードとつなぐ。フォード、宮崎でもいい。そういう風に使っていけば(打線に)厚みができる。全体的に打てないから起爆剤が欲しいと思う。三浦(大輔)監督は、打てないのが我慢の限界にきている」
主砲を欠くチームは現在、リーグ4位。首位・阪神とは8.5ゲーム差ついている。
高木氏は「オースティンはあてにできない」とし、「もう、何回も何回も(故障)だから。ハッスルプレーをするからいいというものではなくて、みんなハッスルプレーをしている。しているけどケガをしないから価値がある。ハッスルプレーをしたからケガをしたというのは、あれだけの給料をもらっていて、言い訳にしか聞こえない」とバッサリ切り捨てた。
そして、「まだ諦める数字ではない。ここで手を打ったというのは、素晴らしいことだと思う」と古巣の巻き返しに期待を寄せた。
チームは9日に敵地・神宮球場でヤクルト戦を行い、11日から本拠地・横浜スタジアムで3位・巨人との3連戦を控えている。