関税交渉大詰めの時期に行われた迅速な対応
このグラス駐日大使の発言は、ちょうど米国との関税交渉が注目されている時期でもあったため、日本政府の対応が注目された。
6月27日、林芳正官房長官は記者会見で「許可を得ない輸出入や製造、販売、所持、使用などを厳格に取り締まっていく」とコメント。
同日、岩屋毅外務大臣も「これまで政府として適切に対応してきた」「違法薬物の製造、販売や許可を得ない輸出入を絶対に許さない」と強く訴えた。
厚生労働省は7月1日までに、フェンタニルの原料を取り扱う全国の事業者への指導を通知。3日には、警察庁が「フェンタニル」を悪用した事件が国内で3年前に2件確認されていたが、密輸入は確認されていないと発表。楠芳伸長官は今後も密輸入を「厳格に取り締まっていく」と述べた。
こうした動きを受け、グラス駐日大使もX上で「日本経由での積み替えを阻止する上で重要な一歩だ」と書き込んでいる。
とはいえ「史上最悪の薬物」と日本の関係について、まだ全貌が明らかになったわけではない。
まず我々にできることは、その危険性を共有し、危険薬物に関わらないためのリテラシーを身につけることだろう。