2025年7月20日投開票の参院選で、世論調査結果などの通り、新興の参政党が14議席と大きく勢力を伸ばし、どんな政策を打ち出すのか注目を集めている。台風の目とされただけに、神谷宗幣代表は開票後、テレビ各局の選挙特番に引っ張りだこだった。生活保護支給は、「国籍のあるなしによって線引き」ともその中で、出演者らに突っ込まれたのは、選挙戦で掲げた「日本人ファースト」などの独自の主張部分だ。あるテレビ番組では、参政党が主張する外国人の生活保護支給停止について、基本的人権に反する外国人排除にならないかと追及された。これに対し、神谷代表は、「違うと思います」と明確に否定し、こう述べた。「生活保護の趣旨というのは、国籍を持つ人たちの生活をサポートすることだと思っています」「外国人は、だって選挙行けないでしょ、外国人の参政権認めてないでしょ、日本は。でも、日本人には参政権あるわけじゃないですか。だからそれは、国籍のあるなしによって線引きされる部分はあると思います」これに対し、「生存権の話をしていて、参政権の話をしていない」と出演者から指摘されると、神谷代表は、「基本的人権という意味で言ってるだけの話なので、それは国籍のあるなしで線引きされることはある」と説明した。こうしたやり取りがXでも取り上げられ、人権も線引きされるとも受け止められるだけに、議論を呼んだ。参院では、予算を伴わない法案提出には11議席が必要だ。参政党はこの議席数を上回っており、どんな法案かも関心を集めた。ニコニコ生放送の選挙特番では、2ちゃんねる創設者のひろゆきこと西村博之さんから「最初にどういった法案を出される予定ですか?」と聞かれ、神谷代表は、政府のコロナ対策についてだと答えた。「本当に政府のやったことは正しかったのか、予算がかなり使われていますけど、無駄遣いはなかったかとか、そういうことを検証する。コロナ対策の見直しをするという法案ですね」参政党は、当初から反ワクチンの立場ではないかとされてきたが、実際に政策でも打ち出すのかとこちらも議論になっている。「極端な思想『洗い出す』」→「思想チェック」否定、軌道修正?参政党の神谷代表は、7月22日の定例記者会見でも、まず通したい法案を記者から聞かれ、このことに言及した。「今、準備しているものは2つあります。1つは、コロナ対策ですね、パンデミック対策に対しての見直し法案みたいなものがあります。もう1つは、スパイ防止法であります」ただ、「参政党だけで政治ができるわけではない」と説明し、他党とバーターしながら法案への協力を求めていく考えを示した。会見では、その他の独特の政策についても、質問が相次いだ。天皇を元首として国が主権を有するとした新憲法案が波紋を呼んでおり、人権をどうとらえているのかと記者に聞かれた。これに対し、神谷代表は、「元々あった人権を減らそうということではないですよ、ということですね。今、明文化されているものは残したうえで、さらに新しい形で権利を提言していこうとかですね、公益というものに関しても、しっかりと明記していこうということであります」と説明した。神谷代表は7月14日に松山市で行った街頭演説で、公務員について言及する中で「極端な思想の人たちは、辞めてもらわないといけないと思う、私は。これを洗い出すのがスパイ防止法だ」と述べている。会見では、この発言の認識も問われた。この点について、神谷代表は、「ちょっと言葉足らずの部分があった」として、次のように説明した。「スパイ防止法で、思想統制だったり、思想チェックというものはするつもりはありません。危険な考え方というのは、要は例えば、昔共産主義でやっていた天皇制打破ですとか、国体の破壊とか、そういったことを言って、それを実際に計画に移したり行動をするということが大事だったり、もしくは、そういった団体に情報を流すということですね」そのうえで、「思想チェックなんだっていうふうにとられたんだったら、それはちょっと私の言葉足らずで、訂正しないといけないなと思っています」とも話し、過去の考え方からの軌道修正ともみられる発言も出ていた。(J-CASTニュース編集部 野口博之)
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