重症度は4段階、向き癖で病気にはならない
頭の変形の重症度は大きく4段階に分けられることが多く、3度や4度と重症の場合でも、向き癖によって病気が起きることは無いという。ただ将来的に、耳の位置が変わってメガネを上手くかけられなかったり、アゴの関節の位置が変わって顎変形症や嚙み合わせの不具合が生じたりする可能性はあり得るとした。大人になって美容整形を受診し、頭の歪みが判明することもあるという。
治療を迷う保護者には、治療適齢期以前の予防策も非常に大事だとアドバイス。「赤ちゃんをベッドに寝かせておくだけでなく、ぜひ、スキンシップを兼ねて抱っこなどをする時間を増やしていただくと良いですね」と呼びかけた。
仮に治療しなかった場合にどれほど良くなるかは個人差があるため比べられないとしながら、軽い1度や2度では自然に改善する可能性が高いとみている。
一方、「ビジネス目的」でヘルメット治療に誘導する施設があると注意を促す。軽度であっても売り込まれるケースや、過去に慶應義塾大学病院を受診した患者のなかには、別の病院でレントゲン撮影や病気の鑑別をされないままヘルメット治療を始めたが、1年経っても頭の形が治らないとして助けを求めてきた事例も。実は頭蓋縫合早期癒合症で、手術が必要と分かったという。