広陵高校の暴力問題、マスコミ報道なぜ遅れた 新聞社主催の高校野球で「告発」がSNSで先行拡大した事情

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監督や指導者への従属を生む高野連の規程

   そんな高校野球で起きた今回の一件を、「教育の場」としての問題から見ていこう。

   今回の問題は、学校側と告発者側の意見がだいぶかけ離れている。そのなかで、広島県高野連の報告を受けた日本高野連は学校側の報告から2025年3月に「厳重注意」の処分を決めた。

   今回の事例が報道されなかったのは、「注意・厳重注意」は原則として高野連から公表しないというルールだからだ。

   さらに甲子園出場に関しても「変更がない」と述べたのは、学校側から新たな事実関係はないと説明を受けたからだった。

   この流れが、一方的かつ不透明な判断だという批判を生んでしまった。

   さらには、今回の被害者は転校しているとのことだが、彼は野球をやりたくても、1年は公式戦に出られない。

   高野連の令和7年度大会参加者資格規程第5条(3)は、転入後1年を経過しなければ出場できないと定め、いじめなど「やむを得ない理由」が認定されない限り例外はないのだ。

   スポーツライターの小林信也氏は8月11日放送の情報番組『サン!シャイン』(フジテレビ系)で、《そうなると、一層監督が『言うこと聞かないとどうなるか、わかってるな』って言葉にはしなくても、そういった空気がある》とコメントした。

   真剣に野球を志す生徒ほど、こうした規程が監督や指導者への従属を生む圧力になり得る。

   果たしてこれは教育の場として、正しいルールなのだろうか。

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