美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長が2025年8月12日、Xでいわゆる「直美(ちょくび)」に反対する考えをつづり、ネットの注目を集めている。
「保険診療での勤務を経ることなく」美容クリニックを目指すのは反対
高須氏は12日、Xで「僕は研修医終了後病気の患者さんの診療経験なしで直ぐ美容外科医になる直美には反対である」と投稿した。
「直美」とは、医師としての初期研修を終えた後、保険診療での勤務を経ることなく直接美容クリニックに就職する若手医師を指す言葉だ。保険診療での過酷な勤務実態のほか、美容クリニックでは保険診療の勤務医よりも高い給与が得られることなどが増加の理由とされており、医師の流出が問題となっている。
NHKが25年5月に公開した「なぜ医師たちは美容医療に?」との特集によると、「直美」の医師の数は「医学部2つ分に相当する」とも言われているという。
高須氏はこうした現状について、「今は直美ならぬ直総診を志す若いドクターが多いそうだ」と変化に言及。
「あらゆる病気に対応できる総合診療科こそ現在の社会が一番必要とされる科であるとかっちゃんは確信する。嬉しい。志のある若いドクターたちに期待」と期待を寄せた。
「総合医療は国民も望むところ」
「本当にその通りですね。直美については現代医療の様々な問題点が複合的に絡み合っているような気がします」「総合医療は国民も望むところです。だから総合病院で受診・治療したいんです。昔の町医者先生は凄かったと思います。専門外でも知っていて、なんでも診てくれました」など、共感の声が寄せられている。
なお、高須克弥記念財団が公開している「医療外科との出会い」によると、高須氏は昭和大学医学部医学科を卒業後、整形外科医局に所属。西ドイツ(当時)やイタリアなどに研修留学し、最新の整形外科技術を学び、日本ではまだ普及していなかった人工股関節の技術を導入するなど、整形外科医として最先端の医療に取り組んだ。
しかし、「保険金の支払いが入院期間に比例する」ことから、長期入院を望む患者には短期間での治療が喜ばれないこともあったという。さらに、日本の保険医療制度では医師の側も治療を長引かせることで利益を得る構造だという問題に直面。
こうした矛盾を抱えながら、西ドイツ・キール大学で目にした「自分の鼻を小さくする手術」を契機に治療の早さが患者の満足に直結する美容整形への関心を深め、以降は美容医療の道を歩み続けている。
僕は研修医終了後病気の患者さんの診療経験なしで直ぐ美容外科医になる直美には反対である。
— 高須克弥 (@katsuyatakasu) August 12, 2025
今は直美ならぬ直総診を志す若いドクターが多いそうだ。
あらゆる病気に対応できる総合診療科こそ現在の社会が一番必要とされる科であるとかっちゃんは確信する。
嬉しい。
志のある若いドクターたちに期待 pic.twitter.com/6CJZgnccmd