「広島」「長崎」の原爆式典あいさつ「コピペと違う」
6日の広島、9日の長崎での原爆記念日の「石破あいさつ」は、いずれも有権者の評価が高かったことが影響しているのではないかと私は見る。広島の場合、「過去3首相のコピペ原稿と違う」と評価する声が、SNS上で相次いだ。
「内容や言葉選びはすごい良かった。最後に短歌を引用したところも。過去3人の総理のコピペ原稿とは全く違う」「強く心に響いた。政治家のスピーチには珍しく『人の言葉』だった」
毎日新聞によると、2020年の安倍晋三首相のあいさつは、広島と長崎でほぼ同じ「コピペ」だった。18、19年も極めて類似。21年の広島市の式典では、当時の菅首相があいさつの一部を読み飛ばした。
心に響いたという言葉選びとは、何を指すのか。
「2年前の9月、広島平和記念資料館を、改装後初めて訪問しました」「黒焦げになった無辜(むこ)の人々。4000度の熱線により一瞬にして影となった石(中略)夢や未来が瞬時に容赦なく奪われたことに言葉を失いました」
歌人・正田篠枝さんの短歌を読み上げた、その一節も注目された。
「太き骨は先生ならむ そのそばに 小さきあたまの骨 あつまれり」
長崎のあいさつでは、長崎医科大で被爆した故・永井隆博士の言葉が心に残った。
「ねがわくば、この浦上をして世界最後の原子野たらしめたまえ」