中国人観光客一人あたりの旅行消費額は約20万円
ところで、ご存知の通り、日本では訪日中国人観光客が急増中だ。
日本政府観光局(JNTO)によると、2025年6月に日本を訪れた中国本土からの旅行者は約80万人で、前年同月比でほぼ2割増となっている。年初からの累計では470万人を超え、韓国からの観光客数を上回る可能性もある。
さらに、中国人観光客は一人あたりの旅行消費額が高く、観光庁の調査では2024年の平均は約20万円に達する。
免税店でのブランド品購入、家電量販店での大量購入、高級料亭での食事など、高単価消費が特徴だ。
この傾向は地方経済にも波及しており、北海道・九州・沖縄などでは宿泊客の3~4割を中国人観光客が占め、ホテル稼働率の上昇が設備投資や雇用増につながっている。
一方で、京都や浅草などの人気観光地では、交通混雑や宿泊費高騰、マナーを巡る摩擦など、オーバーツーリズムの問題も顕在化している。
観光による経済効果と生活環境への影響――観光地にとってはまさに痛しかゆしの状況だ。