自分の「強み」や「価値観」に気づく
転職活動を始めた当初、Aさんは「自分の強みが分からない」と感じていました。現職では定年まで働くつもりでいたため、「自分が何を大切にしているのか」「どんな価値を提供できるのか」といった視点でキャリアを振り返ったことがなかったのです。
そこで行ったのが、これまでの仕事の「棚卸し」でした。
キャリアアドバイザーと対話をしていく中で、日用品の物流・在庫管理という業務の中にも、Aさんが積み重ねてきた工夫や責任感の強さ、他部署との連携力といった「強み」が確かに存在していることがわかりました。
これらの強みは、どんな業種や職種でも評価される強みでもあります。これらの経験が生かせ、かつ興味の持てる企業に複数社応募し、面接でもアピールしていきました。
「自分には何もないと思っていたけれど、話していくうちに『あ、これって強みなんだ』と気づけたんです」
Aさんはそう話していました。
さらに、面接を重ね比較していく中で、Aさんは「自分がどんな働き方を望んでいるのか」「どんな環境で力を発揮できるのか」といった「価値観」にも気づいていきました。
現職もいい企業だと感じられていたAさん。「どんなところが気に入っているのか」の要素を分解した結果、「さまざまなバックグラウンドを持つ人々がいて、一人ひとりが公平に尊重されている」風土に魅力を感じていることが言語化されました。
この価値観に基づいてさらに企業を探し、面接でもそのような企業かどうかを確認していったのです。