巨人・田中将大が大記録へ王手をかけた。
上から投げ下ろす直球に勢いが戻ってきた田中将大
2025年8月21日のヤクルト戦(神宮)で5回3安打1失点の力投。今季2勝目を挙げ、通算199勝に達した。3か月のファーム調整期間を経て、8月に1軍昇格後の登板では大崩れせずに試合をきっちり作っていただけに、手ごたえをつかんでいるだろう。
春先から取り組んでいたフォーム改造が形になりつつある。横振りだった体の動きを縦振りにすることで、上から投げ下ろす直球に勢いが戻ってきた。
速い球をストライクゾーンに投げ込めることでスプリット、スライダーなど変化球も生きてくる。野茂英雄、黒田博樹、ダルビッシュ有に次いで史上4人目となる日米通算200勝達成が見えてきた。
大記録まで残り2セーブ「益田にも意地があります」
一方で、心配なのが今月20日に登録抹消されたロッテ・益田直也だ。
長年守護神を務めてきたが、今年は安定感を欠いている。5月3日にファーム再調整となり、6月14日に1軍復帰したが、22試合登板で1勝4敗5セーブ2ホールド、防御率4.35。
名球会入りの条件となる通算250セーブまであと2まで減らしてきたが、8月17日のソフトバンク戦(みずほPayPay)、19日の楽天戦(ZOZOマリン)と2試合連続で救援に失敗し、今季2度目のファーム降格となった。
「直球のストライク率が低く、かわす投球になってカウント不利の状況から痛打を浴びるケースが多い。このままでは抑えは厳しいでしょう。35歳という年齢を考えると、ロッテは後継者を作らなければいけない時期にきています。ただ、益田にも意地があります。残り2セーブで大記録達成をキャリアの通過点にできるかは、今後の投球にかかっています」(ロッテを取材するスポーツ紙記者)
大記録達成に向け、対照的な立場となった田中将と益田。今後の投球が注目される。
(中町顕吾)