「ホームタウン」のニュアンスの違い
もうひとつは、「交流拠点」という意味合いで使われている「ホームタウン」という言葉だ。
「ホームタウン」=hometownは、直訳すると「故郷」。英語圏でも基本的には同義で使われる。
だが、日本において「ホームタウン」という言葉は、Jリーグなどのスポーツや政策用語として「拠点」「交流先」の意味に拡張されている。
今回のJICAによる「アフリカ・ホームタウン」事業の狙いは、東京オリンピック・パラリンピックの際の「ホストタウン」の経験を土台に、アフリカとの国際協力や人材交流を長期的に進める「共創の拠点」を設けることにある。
JICA構想も、「交流拠点」として「ホームタウン」という語を採用しているとわかる。
構想の元となった「ホストタウン」=host townは、英語で何かを「受け入れる町」という意味を持つ。
東京五輪の際に問題とならなかったのは、「ホストタウン」という言葉が、自治体が大会参加国の選手団を迎え、スポーツや文化交流を進める仕組みであることが周知され、「外国人を受け入れる場所」というイメージが定着していたからだ。