「石破辞めるな」と高齢者、「辞めろ」と若者 自民党ゴタゴタの裏で首相支持率アップの奇妙な事態

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岸谷蘭丸「めちゃくちゃっすよ」

   Xで「石破」と検索すると、8月31日に計画されているという「石破辞めろ」デモに参加を呼びかける投稿が表示される。これらのアカウントには一定の割合で、オレンジ色の絵文字が目立ち、プロフィールには「参政党支持」「安倍総理のアンチはブロック」などの文言が記されている。

   また、X上では、排外主義的な主張で一定の支持を獲得した元迷惑系YouTuberへずまりゅう氏、元実業家の井川意高氏らが石破首相を執拗に叩いている。元官僚の室伏謙一氏や京都大学大学院教授の藤井聡氏ら、参政党に好意的な論客も石破首相の批判を続けている。

   国民民主党の玉木雄一郎代表も、SNS上で一部野党による「石破辞めるな」の動きを非難。8月20日には、俳優の岸谷五朗氏を父に持つインフルエンサー岸谷蘭丸氏のYouTubeチャンネルに出演し、

「不思議なのは『石破辞めるな』っていうのが、なぜか他の野党から出ていて。おかしくない?」

と、立憲民主党を暗に批判した。岸谷氏も「(石破首相の方が)マシとか言い出しますからね」「めちゃくちゃっすよ」と同調し、国民民主党が若者の支持を獲得したことに「次の選挙では、もはやインフルエンサー側に政党が頭を下げて寄ってくる時代になる」と語った。

   若年層を中心に、SNS上で高まるアンチ石破の声。この傾向とほぼ一致するのは、参院選の投票先だ。躍進した国民民主党は20代での得票割合が最も多く、参政党は特に30代から多くの支持を獲得していた。いずれの政党にも共通するのは、SNSで高い拡散力を誇っていたことだ。そして、若い世代ほどSNSを参考に投票先を決める割合が増えることも、大手メディアの世論調査で示されている。

   これとは対照的に、支持者に「石破辞めるな」の傾向がある立憲民主党や社民党、共産党などは、参院選で高齢者からの支持が大半を占めた。SNSの情報を信じる若年層と、旧来型の政治行動が残る中高年層で、石破首相の評価を巡る分断は顕著になっている。

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