サステナブル経営の革新は「サプライチェーン」から 注目の展示会「SCMワールド」立ち上げの真意と信念/RX Japan・小笠原徳裕さん

提供:RX Japan

   私たちが手にしている製品は、原材料の調達、製造、配送といったさまざまな工程(サプライチェーン)を経て届けられている。

   企業の視点からはこれまで「物流や調達・購買の効率化」という現場の課題として語られることが多かったサプライチェーンだが、いまや経営課題に直結する戦略的なテーマとして、その重要度が高まっているという。

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「サプライチェーンマネジメントが、単なるコスト削減や効率化に限らず、企業経営にとって欠かせないピースとなることは確実だといえる状況でしょう」

   そう話すのは、RX Japanが手掛ける展示会「サステナブル経営WEEK」の事務局長・小笠原徳裕さんだ。

   RX Japanでは、2025年9月17(水)~19日(金)に幕張メッセで「サステナブル経営WEEK 秋」を開催するが、今回、サプライチェーンにフォーカスした特別企画として「SCM―サプライチェーンマネジメント―ワールド」を立ち上げた。

   企業の「サステナブル経営」実現に向けた取り組みが加速するなか、「SCMワールド」の狙い、見どころについて、小笠原徳裕さんに詳しく聞いた。

  • 「サステナブル経営WEEK」事務局長・小笠原徳裕さん
    「サステナブル経営WEEK」事務局長・小笠原徳裕さん
  • 「サステナブル経営WEEK」事務局長・小笠原徳裕さん

サプライチェーンは「企業の競争力や持続的成長を決定づける戦略領域」

――企業を取り巻く脱炭素に関して、この4年でどのように進んだとみていますか。

小笠原徳裕さん 私たちRX Japanが2021年9月に第1回「脱炭素経営EXPO 秋」をスタートしてから4年、企業の取り組みは確実に進化しています。

まずは二酸化炭素(CO2)の可視化からスタートし、具体的な削減プランへの落とし込み、さらにそれをどのように企業価値に転換していくかという動きが進みました。それにより、脱炭素やサステナビリティは企業にとって欠かせない成長戦略の1つとして位置づけられるようになりました。
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――4年が経ち、いまでは状況も変化しました。

小笠原さん そうですね。その中で、脱炭素の取り組みを進めるには、やはり自社だけではなくサプライチェーン全体の視点が不可欠だと感じる場面が増えてきています。

サプライチェーンとは、原材料の調達(サプライヤー)→製造(メーカー)→物流(物流業者)→販売(小売業者)→消費者という一連のモノの流れを意味します。また、サプライチェーンの一連の流れを効率よく管理し、関係する企業で情報を共有するなどして経営効率を図ることをサプライチェーンマネジメント(SCM)と呼びます。

サプライチェーンを俯瞰して見た時、以前からの脱炭素やESGという観点だけでなく、半導体や地政学・関税リスクなどここ4、5年で一気に多様で複雑な課題が出てきました。

そうした背景から、「サステナブル経営WEEK」に出展する企業の皆様からも、サプライチェーンマネジメント(SCM)をテーマにした展示会を開催してほしい、という要望を多数いただいていました。

この状況を踏まえ、「サプライチェーンそのものをど真ん中に据えて議論できる場をつくるべきだ」と考え、今回新たに「SCMワールド」を立ち上げました。
サプライチェーンはグローバルに展開されているため、自然災害や地政学的リスクなどの影響を受けやすい側面がある。「そのため企業は、持続可能なサプライチェーンマネジメントの構築が急務です」と小笠原さん
サプライチェーンはグローバルに展開されているため、自然災害や地政学的リスクなどの影響を受けやすい側面がある。「そのため企業は、持続可能なサプライチェーンマネジメントの構築が急務です」と小笠原さん

――サプライチェーンそのものをど真ん中に据えた、というのはどういった真意が?

小笠原さん これまでサプライチェーンといえば、「物流や調達・購買の効率化」といった現場の課題として語られることが多いものでした。

実際、私も「SCMワールド」を立ち上げる際にサプライチェーンマネジメント(SCM)に関する世界中の展示会や講演会を徹底的にリサーチしたのですが、基本的には物流関連のイベントの1テーマとして併設されているものがほとんどでした。つまり、経営的な視点からサプライチェーンマネジメント(SCM)を取り上げる場がなかったのです。

しかしいまや、経営全体に直結する課題がサプライチェーンを通じて押し寄せています。

つまり、サプライチェーンは明確に「企業の競争力や持続的成長を決定づける戦略領域」なのです。

だからこそ、「サステナブル経営Week」という日本最大の持続可能な企業経営をテーマとした展示会で、経営的な視点からSCMを取り上げる展示会を創りました。

それがサプライチェーンそのものをど真ん中に据えた真意です。
商談の様子(2024年10月の様子)。「出展社・来場企業の皆様から『SCMに特化した展示会を開催してほしい』という要望が多数あり、そうした声がSCMワールドの実現を後押ししてくれました」と小笠原さん
商談の様子(2024年10月の様子)。「出展社・来場企業の皆様から『SCMに特化した展示会を開催してほしい』という要望が多数あり、そうした声がSCMワールドの実現を後押ししてくれました」と小笠原さん

――それほどまでにサプライチェーンマネジメント(SCM)は注目されているのですね。

小笠原さん はい。サプライチェーンマネジメント(SCM)の重要度は確実に高まっています。もはや物流・調達の効率化にとどまらず、経営課題に直結するテーマになっているからです。

従来からあったESG対応への要請はもちろんのこと、米国でトランプ政権が発足し、世界情勢も大きく変わってきました。AIの登場によって効率化などのメリットをもたらしていますが、その一方で気候変動や地政学などの観点から蓄積した既存データから予測が難しい事象や、サイバーセキュリティ面では弱みがあることも事実です。

そのためサプライチェーンマネジメント(SCM)は、単なるコスト削減や効率化に限らず、企業経営にとって欠かせないピースとなることは確実だといえる状況でしょう。

「経営×サプライチェーンマネジメント(SCM)」を軸にカンファレンスが充実

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――「SCMワールド」へ出展・登壇する企業の特長を教えてください。

小笠原さん 出展企業はSCMの高度化・最適化を実現するコンサルティングファームやSCMシステム、AI活用、リスク管理ソリューション、調達購買DXなど多岐にわたります。

また、今回は初開催ということもあり、とにかく「経営×サプライチェーンマネジメント(SCM)」を軸にカンファレンスの充実を図りました。AI・地政学リスク・レジリエンスなど、注目テーマを3日間で全5セッション、毎日開催します。

具体的な出展・登壇企業としては、SAPジャパン、デロイト トーマツ コンサルティング、クニエ、Zionex、Resilireなど、SCM領域で先進的な取り組みを行う企業が名を連ねています。

それぞれが、環境配慮型物流、サプライチェーンの可視化、AIによる需要予測、リスク管理ツールなど、SCMの高度化・最適化に向けたソリューションを提供しており、来場者にとっては最新トレンドや課題解決のヒントを得られる貴重な機会となるはずです。
毎回にぎわいをみせる「サステナブル経営WEEK」。ビジネスチャンスにつながる新たな出会いがある(2024年10月の様子)
毎回にぎわいをみせる「サステナブル経営WEEK」。ビジネスチャンスにつながる新たな出会いがある(2024年10月の様子)

――最後に、あらためて「SCMワールド」はどんな人に足を運んでほしいと思いますか。

小笠原さん 「SCMワールド」では企業の経営層、経営企画部門の皆様はもちろん、調達・購買・物流・生産といったサプライチェーンに携わるすべての方々に足を運んでいただきたいと考えています。

経営層と現場が同じ視点を共有し、課題を俯瞰的に捉えることで、初めて持続的な成長が実現できるものです。来場者の皆様がここで新しい気づきを得て、実務に直結する解決策や未来への道筋を持ち帰っていただける場にしたいと思っています。

そして、長期的には「SCMワールド」をサプライチェーンマネジメント(SCM)関係者が世界中から集まるプラットフォームとして確立していきたい――そんな信念を抱いています。

※※※

   企業向け脱炭素ソリューションなどを扱う企業が出展する「サステナブル経営WEEK 秋」は2025年9月17日(水)~19日(金)の10:00~17:00に幕張メッセで開催(世界最大級のエネルギー総合展「SMART ENERGY WEEK秋」も同時開催)。特別企画「SCMワールド」では、専門家による講演やパネルディスカッションが充実しているのも特長だ。

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