鳩山由紀夫元首相が2025年9月4日、中国・北京で行われた「中国人民抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利80周年記念式典」への出席をXで振り返った。「日中関係をどう良くするかを考えないといけない」式典は3日、北京の天安門広場で行われた。中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領、北朝鮮の金正恩総書記が一堂に会するという異例の場となったほか、軍事パレードでは100種類以上の兵器を披露。軍の近代化をアピールする内容となった。式典には中国と関係の深い26か国の首脳らが出席した一方で、米国のトランプ大統領をはじめとする欧米主要国首脳は不参加。日本政府も代表を送ることはなかった。こうしたなか、中国政府は8月28日に鳩山氏の出席を発表。産経新聞によると、鳩山氏は同紙の取材に対し「日本がかつて侵略したことは事実だ。中国が勝ったということだが、それを乗り越え、日中関係をどう良くするかを考えないといけない」などと語り、出席の意向を示していた。長男:紀一郎氏の「出席取りやめ」要請も奏功せずこうした中、鳩山氏は9月4日、改めて式典参加に関する思いをXで明かした。「北京の抗日戦争及び世界反ファシズム戦争勝利80周年記念式典に招待を受けた」と説明した上で、式典での習近平氏の発言について、以下のようにつづった。「習近平主席は繰り返し日本軍国主義者の侵略に勝利したと述べ、周恩来首相と同じく、日本の軍国主義者と一般の日本人を区別して話された。歴史を正視し鏡とする重要性を今更ながら感じさせられました」参加表明の時点でも波紋を広げていた鳩山氏だが、中国訪問後のこうした投稿をめぐり、SNSでは、さまざまな言語で賛否の声が寄せられた。日本語で「あなたに敬意を表します。過去に向き合う勇気を持ちましたね」、中国語で「中日友好にまだわずかな希望があると思わせてくれる」など、国内外からの前向きな反応もある。一方で、「平和平和と言ってるくせに、中国の軍事パレードを見物して喜んでるんですか」「平和主義者を自認しつつ中国の軍事力を誇示するパレードに参加するのはダブルスタンダードではありませんか?」など、厳しい声も続出している。なお、鳩山氏の長男で国民民主党所属の衆院議員・鳩山紀一郎氏は8月28日、「父には出席の取りやめを要請しました」と報告。「日本国民にとって最も大切なことは、戦争の悲劇を二度と繰り返さないために、歴史から学ぶべきことはしっかり学びつつ、抑止を中心に、常に最大限の戦略的な準備を行うことです。その観点で、日本の元首相が中国政府の戦勝記念行事に出席する必要はありません」としていた。
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