プロボクシングの世界2階級制覇王者・亀田和毅(TMK、34)が、2025年9月8日にユーチューブを更新し、14日に名古屋でスーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、32)に挑戦するWBA同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン、30)の「異変」を指摘した。
亀田「普通に井上が勝つんじゃない?」
挑戦者アフマダリエフは、16年リオデジャネイロ五輪銅メダリストで、18年3月にプロデビューを果たした。
20年1月にプロ8戦目にして、WBA・IBF世界スーパーバンタム級王者ダニエル・ローマン(米国、35)に挑戦。2-1の判定勝利を収め、世界2団体の王座を獲得した。
23年4月の防衛戦で、挑戦者マーロン・タパレス(フィリピン、33)に1-2の判定負けを喫して王座陥落した。24年12月の復帰2戦目で、WBA同級暫定王座決定戦を制し、井上への挑戦権を獲得した。
アフマダリエフは、海外のボクシング専門メディアで高く評価され、「最強の挑戦者」と評価するライターもいる。実際、井上も警戒しており、スポーツ紙の報道によると、井上は「今回は判定決着でもいいかなと自分自身思っている」とし、「KO宣言」を封印したという。
バンタム級、スーパーバンタム級の2階級で王者となった亀田は、井上対アフマダリエフ戦について、「普通に(井上が)勝つんじゃない?」と予想し、こう分析した。
「(自分の中で)ムロジョンの評価はあまり高くない。スーパーバンタム級(王者の)ダニエル・ローマンという選手とやって。あの時が、ムロジョンが1番強かった時だったけど、それでも2-1勝利。後半に(アフマダリエフの)スタミナが切れてボディーが効いていた。それで(ベルトを)2本持っていた時にタパレスとやって1-2の判定で負けた。最初タパレスのスピードに圧倒されて、パンチが効いていた。体のパワーもそんなになかった」
「井上は序盤警戒しつつ、しっかりポイントを取りに行く」
井上勝利を予想する一方で、アフマダリエフの「異変」に言及。「ムロジョンは最近の動画で左フックを打っていない。ここ1か月くらい」と指摘し、次のように持論を展開した。
「左を打っても、ストレートを軽く打つだけ。(左拳を)痛めているんじゃないかと思っている。右は全部強く打っているけど、左フックは打っていない。痛めているのかな?試合になったらアドレナリンが出て打つとは思うけど。今は全部チョンチョンとしか打っていない。(手の内を見せていない可能性も)あるかもしれない。(海外選手は)よくやるから。駆け引きかもしれなないし、ケガしているかもしれない」
強豪アフマダリエフ相手に「KO宣言」を封印する井上だが、現在、11試合連続KO中で、多くのファンが井上のKO勝利を望んでいる。
亀田は試合展開について、「(井上は序盤)警戒しつつ、しっかりポイントを取りに行くと思う。行けると思ったらダーッと行く。そこで中途半端にしたらムロジョンが調子に乗る。調子に乗らせたらヤバい展開になる可能性もある。あと、ムロジョンの左ボディー。相手が右ストレートを打ってきたときに、左ボディーを合わせるのがうまい」と分析した。
井上はアフマダリエフに勝利すれば、12月にサウジアラビアで、WBC同級1位アラン・ピカソ(メキシコ、25)を相手に防衛戦を行う見通しだ。